鈴木 徹司

「言い訳」の意味

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「言い訳するな!」って言われたことありますよね。

逆に言い訳されたとき、ムカッとしたこともありますよね。

失敗した本人は、理由の説明と思っているのに、
受け取る側は、言い訳と感じて、不快な思いをする。


繰り返される日常の光景です。

なぜこんなことになるのかを考えてみました。

例えば、上司への報告書の提出が遅れた場合。

・直前に電話が掛かってきたから。

・他の業務で忙しかったから。

・うっかり忘れていたから。

・期日管理ができていなかったから。

さまざまな遅れた理由が挙げられます。

このなかで、どれが言い訳ととられ、相手に不快な思いを与えるのでしょうか。

「なぜ遅れたのですか?」
  ↓
「すみません。直前に大事な電話が掛かってきまして、その対応に追われていました。」

「なぜ遅れたのですか?」
  ↓
「すみません。急ぎの仕事が多くて、手が回りませんでした」

どちらも「言い訳」とされる可能性が高い理由説明です。

言い訳でムカッとくるのは、今でも不快な思いをしているのに、

それがこれからも繰り返されることが予想されるからです。

直前に電話が掛かってきたことを理由にする限り、
今後も直前に電話が掛かれば、遅れることを意味します。

急ぎの仕事が多いことを理由にする限り、
また急ぎの仕事が多いときには、報告が遅れることを意味します。

それが、分かるので、これからもさらに起こる不快な思いに、腹が立つ訳です。

「なぜ遅れたのですか?」
  ↓
「すみません。うっかり忘れていました。」

「なぜ遅れたのですか?」
  ↓
「すみません。期日管理ができていませんでした。」
  

このふたつは、「言い訳」ととられにくいケースです。
もちろん、今後の対策は強く求められますが。

自分が修正できるところに理由を見出しているので、

自分が修正すれば、同じミスを繰り返さないからです。

忘れないように工夫すれば、同じミスはなくなります。

うまく期日管理すれば、遅れなくなります。

これからは不快な思いをすることがなくなると思えるからこそ、
その理由を受け入れることができるのです。


「言い訳するな」っていう意味は、
そのまま「理由を説明するな」っていう意味ではないんです。

「自分以外のこと理由にするな」っていう意味なんです。

失敗したときには、他人や状況のせいにするのではなく、

自分が唯一変えられる「自分」のせいにして、

それ以上、相手に不快な思いをさせたくないものですね。