増野 佐智子

他人の発言から何を受けとるか

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こんにちは、新宿オフィスの増野です。

私も、遂に一回り年下のメンバーと一緒に仕事をする時代に突入(笑)

生まれ育った環境や価値観も異なる相手に、 いかに自分の頭の中を共有するかは、私の大事なミッションです。

さて、様々な発信をしていて実感するのは、 全く同じ発言を全く同じように伝えても、 本意がすんなり伝わる人と伝わらない人とがいることです。

何が違うのでしょうか。

両者を観察していると、そもそも他人の発言から受け取っているものが違うと感じます。

例えば、皆さんこんな経験はありませんか?


《事例》 先週上司から「○○にしよう」と言われ、そのつもりでいたが、 今日突然「○○は後回しで」と言われた。

この時の反応は、大きく以下3タイプに分かれます。 同じ人でも、その時々で様々なタイプが顔を出します。

①何も考えず何も感じずただ決定に従う、  完全な《イエスマンタイプ》。

②「急に変わった。あの時こう言ったのに」と、  何かしらの不満を感じる《隠れ不満タイプ》。

③急な方針変更にも納得して、  気持ちよく行動に移す《コミットタイプ》。

常にベストを考え続ける社風の弊社でも、 この事例のように、一度決めた方針が一転することはあります。

その時の社内の反応は、②か③に分かれることが多いです。


  ②隠れ不満タイプに陥る時や陥りやすい人は、 〈相手の発言それ自体〉や〈起きた事実〉にのみ目がいっています。

「あの時●●と言ったのに、今日●●と言った」 「●●と言うから対応したのに、無駄になった」 「事前の相談なく、方針を変えた」

確かに、こうして〈相手の発言それ自体〉や〈起きた事実〉だけに 焦点をあててみると、なんだか少しイライラしてきますね(笑)

変更前の方針に従ってかけた時間や負担が大きい程、 解消されない不満が心の中に募ることでしょう。


  ③のコミットタイプで取り組める時・人は、 相手の発言自体や起きた事実だけでなく、〈相手の発言の本意〉や、 〈相手がその発言に至った背景(目的、理由、価値観、気持ち等)〉に目がいっています。

更に言うと・・・ 最初の決定段階から「上司が●●と言った(決めた)」事実だけでなく、 「会社として××を優先させた結果だ/上司は✕✕を重視して(危惧して)決定した」等、 その決定発言の背景も一緒に受け取っているんです。

物事の本意や背景をしっかり受け止めていると、 仕事の取り組み方もその成果も、全然変わります。

たまに、受け取った〈本意や背景〉が検討違いのこともある訳ですが、 このコミットタイプは、必ず答え合わせの機会に恵まれるので、 だんだんと上司の本意・背景を的確にキャッチする技術が向上し、 益々上司から頼りにされ、本人もメキメキ成長曲線を上っていける形です。


  なぜ今回このテーマを取り上げたかと言うと、 このタイプ分は、厄介なことに、歳を経れば経る程、癖になりやすいからです。

特に、②隠れ不満タイプが癖になると、 自分のストレスに不感症になるか、溜め込み続けていつか爆発するか、 不幸な選択肢に追い込まれるしかなくなり・・・ なんというか・・・自分の人生にコントロールがきかなくなります。

そして、②隠れ不満タイプが自分の心に無駄な負荷をかけている間に、 ③コミットタイプは、ストレスフリーで、周りからも頼りに&重宝され、 メキメキ成長する好循環に入っています。

早く③のコミットタイプを癖付することが、 長く仕事を本気で楽しむコツだと感じます。

ちょっと意識を変えるだけで、②にも③にもなれるので、 皆で意識して成長曲線を上っていきたいと思います!!!