鈴木 徹司

仕事の入り方

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日本人は、簡単な問題ばかりを解いて、重要で難しい問題を保留する癖がある、

と書いている本を以前読んだことがあります。

それは、受験勉強に起因しているといいます。

試験問題で、簡易な設問40問(各2点)と応用問題2問(各10点)がある場合、

まずは、簡単な問題から解いて、80点近くを確保し、

時間に余裕があれば、応用問題を解くようにと習います。

それが、高得点を取る効率的な手段だからです。

点数の高い難しい問題を解かなくても、大概の試験には合格するようになっています。

その影響を受けて、社会人になっても、自分に取り組みやすい課題から取り組み、

重要であっても難しい問題を先送りする傾向があります。

例えば、新しい職場に配属されたとして、

その仕事を業務知識から覚えていこうというのは、簡単な問題を解くやり方です。

目の前のするべきことのなかで、最も分かりやすいことから手を付けます。

そのこと自体は悪くないのですが、優先順位が間違っています。

仕事のできる人は、まったく違うアプローチをします。

その職場の雰囲気を肌で感じます。

その職場のルールを知ります。

その仕事の本質を掴もうとします。

その職場のキーマンを把握します。

その仕事に必要な人間関係を構築します。

業務知識を覚えるよりも、もっともっと大切なことがあります。

難しくても、後回しにしてはならないのです。