旅館業・ホテル営業許可

旅館業と民泊の相違点

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民泊とは

民家に泊まることの総称をいいます。
例えば、知人の家に泊まりに行く・旅先で知り合った人の
家に泊めてもらう、なども「民泊」です。
この際、宿泊代としての金銭授受があるか否かは関係ありませんが、無償で民家に泊まることが民泊のイメージでした。
近年の民泊は捉え方が変わってきており「旅行者を有償で受け入れる」というビジネスモデルが出現しています。

民泊と民宿は異なります

【民宿】

・ホテル・旅館・下宿以外で宿泊料を受けて人を宿泊させる営業(簡易宿所営業※1)

・「業」として宿泊用の設備を用意している建物(普通の民家ではない)

・無料で泊まれる場所ではない(※2)

・旅館業法の規制を受ける

【民泊】

・民家に泊まること

・対価は発生しない(対価を受け取らないことが常態化していること)

・「業」として営業しない

・旅館業法の規制を受けない

このように、2つの違いとして「営業行為であるかどか?」があげられます。
民宿として認知されていない民家であっても、宿泊料を受け取る目的で、常に部屋や寝具を用意していれば、旅館業経営にあたります。

※1 旅館業の種類

ホテル営業10室以上の洋客室を主体とする宿泊施設で、レストランや食堂で食事を提供できる宿泊施設
旅館営業5室以上の和客室を主体とする宿泊施設。食堂がなくても可。
簡易宿所営業客室を多数人で共用する宿泊施設。Ex:カプセルホテル・民宿・キャンプ場のバンガローなど
下宿営業一カ月以上の期間を単位とする宿泊施設
※2 宿泊料を受け取る営業が常態化しておらず、たまたま民泊したい希望者が現れて、
   泊めた代わりに謝礼を受け取った場合は、営業に該当しないため、
   旅館業法の規制はうけないとされています。

民泊の現状と課題

・貸し出した部屋で非合法活動(薬物の使用等)が行われ、犯罪の拠点となりうる可能性がある

・部屋の家具や備品が破損・盗難される

・分譲マンションを貸し出した場合、共用部分の使用問題(区分所有者らからのクレーム・賃借人のマナー違反など)

・利用者の「安心・安全・衛生」面の確保がなされているかが定かではない

 

前記のように、仲介サイトを中心として、民泊は広がりつつあります。

しかし「①有償 ②反復継続 ③事業性が高い」ものに関しては、原則的には、旅館業法に則り、許可が必要です。

許可を取得せずに営業しているものに関しては「旅館業法違反」にあたります。

現時点では、取り締まるか否かは、政府にて検討段階ではありますが、本来ならば、摘発対象となります。

実際に、東京の足立区・京都府では逮捕者も出ています。

法人で民泊事業をご検討の場合は、特に慎重になる必要があります。

摘発された際に「知らなかった」では済まされないのが「法律」です。

常時行われる有償の民泊は、知識の有無に関わらず法律上の刑罰は同じです。

旅館業を営むためには、様々な法律要件をクリアする必要があります。

旅館業法の趣旨

①旅館業の健全な発達を図る

②旅館業の分野における利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促進

③公衆衛生及び国民生活の向上に寄与する

民泊の規制緩和

国家戦略特区にて、民泊合法化の動きが進んでいます。これは、区が民泊を認める条例を個別に制定することで、外国人観光客増加にともなう、宿泊施設の不足を解消しようという動きになります。

【国家戦略特区法13条とは】

① 国が国家戦略特区として区域を指定

② その指定された区域が民泊に関する区域計画を策定

③ 区域計画が内閣総理大臣に認められる

④ その区域内で都道府県知事や市長、区長の認定を貰えば、旅館業の許可を得ずに民泊ビジネス(外国人滞在施設経営事業)が行える。

【国家戦略特別区域とは】

関東圏:東京都全域・神奈川県全域・千葉県成田市

関西圏:大阪府・京都府・兵庫県

【東京と大阪の民泊条例】

・東京都大田区:2016年1月から民泊許可申請(特定認定申請)を受付開始
・東京都杉並区:民泊条例の検討を開始予定
・大阪府:2016年4月から民泊許可申請(特定認定申請)を受付開始
 (大阪市、堺市、中核市、豊中市、高槻市、枚方市、東大阪市は対象外)
・大阪市:2016年1月に民泊条例可決。2016年10月以降に施工予定

【宿泊日数の制限】

民泊で旅行者を宿泊させられる日数は、特区法上での民泊の場合、6泊7日(大田区&大阪府)を最低宿泊日数としています。つまり、それに満たない宿泊日数の場合は、旅行者を民泊施設に泊めることができません。

これは特区法での民泊申請のデメリットともいえます。
一方、旅館業法上での民泊(簡易宿所営業)許可を狙う場合は、宿泊日数の制限はかかってきません。

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