鈴木 徹司

価値観の相違の「解消」 ②

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前回、遊びに行くのに、遅れてきた人に、
「時間を守るのは常識ですよ」
と言うことも
「時間に遅れるなんて、ダメじゃないか」
と言うことも、間違った方法であると書きました。

自分の常識を相手に押し付けることも、
自分の価値観に合わない相手を批判することも、
問題の真の解決には結びつきません。

そもそも、あなたが求めるのは、
今の嫌な思いを解消することと
以後に同様のことが起こらないことです。

嫌な思いを解消するには、相手に謝ってもらうことも一つの方法ですが、
謝罪を求めて、反撃され、泥仕合になることもあります。

もっといい方法があります。

相手の価値観を認めること。
「ああ、そういう人なんだ。(悪い意味でなく)」
「それもありか~。」

自分の価値観以外の価値観が世の中にはたくさんあって、
自分の価値観もその一つに過ぎないこと。
その当たり前のことを思い出します。

怒っている自分が小さく見えます。
冷静に考えれば、どうでもいいような気もしてきます。
大げさに騒ぐほどのことではないと分かります。

この方法で、たいていの嫌な思いは解消します。

次に、以後に同様のことが起こらないようにすることです。
時間に遅れたりすると、
いくらかの実害もあるわけですから、
今後はできれば、避けたいわけです。

自分の価値観を主張することも、
相手の価値観を批判することもNGです。

そこでは、
自分の価値観に合わせてもらえるように、相手に依頼します。
「待つのが苦手なんで、時間通りに来てもらえないかな。」
「時間を守ってもらえるとありがたいんだけど…」

言われてみれば、普通のことです。
ちょっと気の遣う相手には、使っています。

親しくなると、使わなくなってしまい、
自分の価値観を押し付けたり、相手の価値観を批判したりするようになってしまいがちです。

価値観の解消には、「押し付け」でも「批判」でもなく、「依頼」です。
親しくなっても、「依頼」でいきましょう。