企業単独型の受け入れ基準
海外に支社、支店、現地法人などの関連企業がある場合、 現地の常勤職員を技能実習生を「企業単独型(技能実習1号イ)」として 受け入れることができます。
以前に団体監理型で技能実習生を受け入れた経験のある場合でも、 条件を満たせば特定監理団体を通さずに直接受け入れられるため、 近年は単独での受け入れを検討する企業様からのお問い合わせを 多数いただいてます。
企業単独型として実習実施機関となるには、まず、外国にある事業所が必要です。
外国にある事業所とは、海外に支店、子会社、現地法人および合弁企業を指します。
※以下参照
現地法人 | 現地の法律に基づいて設立された法人 |
合弁会社 | 複数の企業が共同で出資した企業 |
子会社 | 議決権の過半数を所有する会社 |
関連企業 | 議決権の20%以上を所有する会社 |
また、事実上の関係を有する機関がある場合も、実習実施機関となることができます。
事実上の関係とは、
(1)1年以上の国際取引のある機関
(2)1年以内に10億円以上の国際取引のある機関
(3)国際的な業務上の提携を行っていることなどから法務大臣が特に認めた機関
と定められています。
技能実習生の範囲
企業単独型(技能実習1号イ)で受け入れることができる技能実習生の範囲は、 次のいずれかの関係を有する外国の事業所の職員とされています。
・日本の企業等の外国にある事業所(支店、子会社又は合弁企業など)
・日本の企業等と引き続き1年以上の国際取引の実績、又は、過去1年間に10億円以上の国際取引の実績を有する機関
・本邦の公私の機関と国際的な業務上の提携を行っているなどの事業上の関係を有する機関で法務大臣が告示をもって定めるもの。
技能実習生の要件
技能実習生は、送り出し機関(所属機関)の常勤職員であり、実習実施期間に転勤し、出向する者と規定されています。
そのため、実習中は引き続き、送り出し機関(所属機関)の社員であることとなります。
また、実習終了後は帰国し、日本で習得した技術等を要する業務に従事し、送り出し機関(所属機関)に復職することが求められます。
技能実習生を迎え入れる目的は、実習実施機関との雇用契約に基づいて行う技能等の修得活動であり、その活動には講習による知識の修得活動を含まなければいけません。
そのため、実習生および受け入れ機関は以下の条件を満たす必要があります。
(1)実習生に関して
次の科目についての講習(座学で、見学を含む)を活動予定時間の6分の1以上の時間 (海外で1月以上かつ160時間以上の事前講習を実施している場合は、12分の1以上)実施すること。
(1) 日本語
(2) 日本での生活一般に関する知識
(2) 入管法、労働基準法等法的保護に必要な知識
(4) 円滑な技能等の修得に役立つ知識
※技能実習指導員や生活指導員の配置、技能実習日誌の作成等、技能実習生に対する報酬、宿舎の確保、労災保険等の保障措置を採ること。
実習実施機関の役割
企業単独型の技能実習は、実習実施機関の業務に従事して行う技能等の修得活動を指しますが、これには技能等修得に必要な知識を学ぶ活動(講習)も含まれます。
実習実施機関の役割は主に以下の8つに分類されます。
(1)講習の実施と講習施設の確保
実習実施機関は、講習を行うことが義務付けられています。
講習は机、椅子が備えられた場所において、座学で行われることが原則です。
技能等の修得活動を開始する前に一括して行う場合や、並行して2回以上に分けて行う場合があります。
事前に一括で行う場合は、講習終了時から雇用を開始することができます。
ただし、雇用開始前であっても講習期間中は講習手当として生活実費を支給する必要がありますが、これは労働に対する報酬ではないため、実習実施機関の業務に従事して行う技能等修得活動はできません。
一方、入国当初から講習を行う場合は、入国当初から雇用契約を開始することができますが、講習は座学で行われることが原則のため、技能等修得活動はできません。
入国の時点から雇用を開始する場合は、講習の時間も雇用契約の中に含まれるため、講習時間分の賃金を減額することは許されませんし、講習は所定の労働時間内で実施する必要があります。
講習の科目は「①日本語」「②日本での生活一般に関する知識」「③入管法、労働基準法、不正行為への対応方法その他技能実習生の法的保護に必要な情報」「④円滑な技能等の習得に資する知識」ですが、このうち「③入管法、労働基準法、不正行為への対応方法その他技能実習生の法的保護に必要な情報」は、必ず技能等の修得活動が行われる前に実施しなければいけません。
(2)賃金の支払い
技能実習生に対する報酬は、日本人が従事する場合の報酬と同等額以上であることが求められています。
(3)技能実習指導員の配置
技能実習は、実習実施期間の常勤職員で、修得しようとする技能等について5年以上の経験を有する者の指導の下に行われることとなっており、この職員を技能実習指導員といいます。
(4)生活指導員の配置
(5)宿泊施設の確保
技能実習は賃金の支給を受けていることから、相当分の宿泊費の負担を求めることができます。
実習実施機関は、その金額を雇用契約の際に、雇用契約書に明記しなければいけません。
ただし、雇用開始前の講習期間中の宿泊施設については、無料で提供することとなっています。
(6)帰国旅費の確保
技能実習生が帰国する際の旅費については、実習実施機関が負担するここととされており、実習生に負担させることは認められていません。
(7)保証金・違約金の禁止
(8)不適切な方法による技能実習生の管理の禁止
要件については、一部抜粋しておりますので、詳しくはお問い合わせください。
その他の注意事項
技能実習生の受入れ人数は、通常、実習実施機関の常勤職員総数の20分の1までですが、別途、法務大臣の告示をもって定める場合もあります。
発行されるビザの期間は1年以内(通常は6ヶ月または1年)です。
不正行為(技能実習生に対する暴行や脅迫、旅券又は在留カードの取上げ、賃金の不払い等)が発覚した場合は、一定期間(最大5年)の 技能実習生受入れ停止と再発防止に必要な改善措置が求められます。
また実習生は1年目の実習を終えると、2号イ(企業単独型2・3年目)へ資格変更することが可能です。