【令和8年4月改訂】神戸市旅館業条例 条例緩和による事前協議の複雑性を解説
投稿日:2026年8月3日
令和8年(2026年)4月1日、「神戸市旅館業法の施行等に関する条例」の一部改正が施行されました。
厚生労働省による「旅館業における衛生管理要領」の改正(令和7年3月)や、近年の深刻な労働人口減少、
さらに多様化する宿泊ニーズに対応するための見直しです。
今回の条例改正は、大きく分けると
「①ICTを活用した省力化・無人対応の拡充」と「②建築・デザイン自由度を高める構造基準の緩和」の
2本柱で構成されています。
施行から数か月経ち、行政側の内規・指導事項も具体的にまとまってきました。
条例が緩和される一方で、許可申請までの事前協議のハードルが一段上がっていることも事実です。
本文では、実際に神戸市の旅館業許可申請を進めるスタッフが、
新条例後のスムーズな開業に向けたポイントをわかりやすく解説します。
▼大きな変更点
| 該当項目 | 改正前 | 改正後(令和8年4月1日〜) |
| ICT本人確認・無人対応 | 対面または厳格な要件を備えた一部設備に限る | ビデオカメラ録画等による「録画式無人対応」を明確に承認 |
| 玄関帳場(フロント)とICTの併用 | 完全対面または完全無人の2区分のみ | フロント+一部機能のみICT対応の中間形態を明文化 |
| 客室・浴室の見通し | 寝室等から浴室内部が見える構造を一律規制 | 景観・デザイン重視のガラス張り構造などの規制を削除 |
省力化・無人運営の加速(フロント・ICT基準の明確化)
自動チェックイン機やビデオカメラ等の録画機能を用いた無人対応が正式に認められました。
従来は「完全な無人化」か「完全対面」かの二者択一に近い扱いでしたが、
今回の改正により「普段はフロントに人を配置しつつ、夜間や混雑時の一部業務のみICTで補完する」
といったハイブリッドな運営手法も明文化されています。
これにより、人手不足への対応や人件費の大幅な削減が期待できます。
ガラス張りバスルームの解禁
今までは風紀上の観点から禁止されていた、
客室からお風呂が見える【ガラス張りバスルーム】が解禁されました。
デザイン性の高い客室の設計が容易になり、海外ラグジュアリーホテルのような
高級感のある客室が提供できるようになりました。
水着着用スパ・プール施設等の設置要件緩和
公衆浴場法条例との整合性を図り、水着等を着用して利用するエリアについては、
共同浴場についても、外部からの見通し防止規定の除外が明文化されました。
水着を着た状態であれば、リゾート感あふれる男女共用のスパを営業することも可能です。
【ここが重要】改定後 重要視される“事前協議”について
今回の改正は、事業者にとって「コスト削減」と「集客力の高い施設づくり」の両面で
大きなチャンスとなります。
ただし、ICTによる本人確認設備の要件(画像解像度・画角や録画データの保存期間、緊急時対応体制など)や
昨今人気の男女共用のサーマルスパ等については、神戸市内でも実績が少ないこともあり
かなり細やかに事前打ち合わせを行い、資料に取りまとめる必要があります。
また、神戸市の場合は、営業許可申請前に「事業計画相談票」の提出が求められます。
以前は、ルールが厳格かつ明確であったため、必要書類を揃え、要件を満たしていることが確認できれば
一定期間で事前相談を完了し、住民説明会の実施、営業許可申請へと進めることができました。
しかし、現在は選択肢が広がったこともあり、事前協議の時点から、
図面等構造面の相談だけでなく、詳細な運営体制資料を求められるケースも増えてきました。
中には、建築課や消防署、警察署などに照会をかけ、横断的に判断されることもあるため
想像以上に相談時間を要する傾向があります。
神戸市は、他の自治体と比較してもホテル相談件数が多いことから、常に相談も混みあっているため
計画の初期段階で、きちんと方向性を確認し、次のステップに進めることが重要です。
ご不明な点は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。
参考:神戸市旅館業HP「神戸市旅館業法の施行等に関する条例の改正について」

