【難関】名古屋市の無人運営は本当に可能か?令和7年法改正で高まるハードル
投稿日:2025年9月26日
宿泊業界で進む「無人化」の流れ
近年、ホテル・旅館業界では人手不足や人件費高騰を背景に、
無人運営・無人フロントの導入を検討する事業者が急増しています。
「無人チェックイン機の設置で省人化できるのでは?」と考える方も多いですが、
実際には法律、条例の要件が厳しく、完全な無人運営は極めて難しいのが現実です。
令和7年4月からの本人確認ルール ― ICT設備導入だけでは不十分
名古屋市にて、2025年4月から施行された「玄関帳場代替設備」の新ルールでは、
本人確認が以下の2つの方法で認められます。
- 従業者がビデオカメラで行うICT本人確認
- 自動チェックイン機+顔の録画による確認
一見「無人化が実現しやすくなった」と思えますが、実際には、
- 宿泊時の承認操作が必要
- 事前に宿泊者本人確認情報を共有する仕組みが必須
→本人確認情報と営業者が発行する暗証番号やQRコード等をリンクさせる必要あり - 宿泊者名簿や旅券確認を確実に実施
といった条件があり、単なるICT設備導入では法令を満たせないのです。
無人運営の大きな壁 ― 出入口管理と緊急時対応
無人ホテルを実現するうえで、特に難易度が高いのが施設管理と緊急時対応です。
出入口管理の課題
- 宿泊者専用エリアには施錠構造が必須
→宿泊者が持つ鍵のみでエレベーターが動く構造が望ましいです。 - 出入口はビデオカメラで常時監視か録画が必要
→特に録画は1ヶ月以上保存が可能な性能であることが求められています。
つまり、宿泊者と非宿泊者の出入りをどう確認するかが大きな課題となります。
緊急時対応の課題
- 無人型の場合は、10分以内の駆けつけ体制が義務(駆けつけの移動手段は問いません)
- 客室に通話機器とマニュアルの設置が必要
そして、通話機器とマニュアルの基準は、下記の通りになります。
通話機器の構造基準
営業者が準備した端末であること
→つまり、客室にQRコードなどを設置し、
宿泊者が自身のスマートフォンで読み取って従業員(遠隔地を含む)へ
連絡する方法は認められていません。
⇒「客室の構造設備の変更が必要になること」や「端末機器を準備する必要があること」で
悩まれる営業者様が多いのが現状です。
マニュアルの基準
通話機器の操作方法が記載されたものであること
→紙媒体でもデジタルでもどちらでも可能になります。
ただし、最低限日本語の記載が必要になります。
周辺地域への個別説明 ― 無人運営導入時の必須手続き
無人運営を導入する際には、新規の旅館業営業許可だけでなく、
有人運営から無人運営に運営方法の変更する営業変更届出に該当する場合にも、
周辺地域への個別説明が義務付けられています。
説明対象の範囲
宿泊施設の敷地から20m以内にある土地に含まれる建物の住民全員が対象です。
集合住宅が対象の場合は、入居者全員に事前説明をする必要があります。
説明の方法
- 原則は対面による説明を実施
- 実施内容を記録に残すこと
この個別説明は、単なる形式的な手続きではなく、
無人ホテルや無人旅館への地域理解を得るための重要なプロセスです。
説明不足や記録不備があると、営業許可の取得や営業変更届出が認められないリスクもあります。
つまり、無人運営を進めるには「設備投資」だけでなく、
近隣住民への丁寧な説明と誠意のある対応が不可欠なのです。
名古屋市での無人ホテル運営に向けた手続きは専門家へ
名古屋市におけるホテルの無人運営は、単なる設備の導入にとどまらず、法規制や条例に基づく厳格な要件をクリアすることが不可欠です。
事前の準備から行政との協議、地域住民への対応まで、専門的な知見が求められる場面が多数存在します。
専門家のサポートで確実な許認可取得を
宿泊施設の無人化にあたっては、システム面での対応だけでなく、出入口の管理や緊急時の駆けつけ体制の構築、周辺住民への個別説明など、多岐にわたる要件を満たす必要があります。
これらを自社のみで完結させることは、法令解釈の難しさや手続きの煩雑さから大きなリスクを伴うのが実情です。
当法人では、旅行業・宿泊業の許認可申請に精通した専門家が、旅館業法や各種条例に基づいた確実な手続きを支援しています。
無人運営への移行や新規開業をご検討の会社様は、ぜひ当法人の旅行・宿泊業向けサービス(https://www.shigyo.co.jp/search_post/travel-accommodation/)よりご相談ください。
状況に応じた適切な対応策をご提案いたします
(署名:加藤尚央)



