(工務店の方向け)カーポートの商品選び・設置場所決定の注意点
更新日:2026年7月6日
カーポート設置の工事を行う工務店の皆さんから、「最近は特に、施主様の方からも適切に建築確認申請を行ってほしいと要望をもらう」というお話を聞くことが増えてきました。
適切に建築確認申請を行うためには、カーポートの商品選び・設置場所決定をする段階で、建築基準法などの規制を踏まえて考えるのが重要です。
商品選び・設置場所決定の時に、規制のことを考えていないと、こんなトラブルが……
- 建築確認申請をしてから、規制に引っかかることが分かって、商品変更が必要になる
- 予定通りの設置が難しく、後から計画変更が発生して、手続きもやり直しになる
- そもそもカーポートの設置自体が出来ないことが発覚する
建築関係の規制は、自治体独自のものも多く、こうしたトラブル・出戻りをゼロにすることは非常に難しいです。
ですが、基本的なポイントを押さえて事前に考えることで、トラブルの件数をグッと減らすことができます。
弊社では、毎月数十件の建築確認申請を行っています。
豊富な申請実績をもとに、ポイントをご共有します。
※最終判断は、地域の建築主事・指定確認検査機関となります。
地域ごとに判断が変わってくることもありますので、本ホームページは、よくある事例・ポイントとしてご参考ください。
カーポートの商品選びのポイント
①性能や大きさ・金額
耐風性能や対積雪性能、何台用か、屋根の性能(自動車の日焼け防止など)、デザイン、金額感など、施主様のこだわりが最も出てくるポイントです。
②以降の規制を踏まえて、なるべく施主様にあった商品を選ぶことが重要です。
②面積・大きさの規制(建蔽率・容積率、採光要件への影響etc……)
敷地の建蔽率・容積率の上限や、既存建築物の大きさを踏まえて、どのくらいの面積・大きさのカーポートを設置可能か考える必要があります。
主な緩和要件:
建蔽率(建築面積)の上限:
「高い開放性のある」カーポートの場合、両端1mは建築面積不算入と出来ます。
例:3m × 5m のカーポートで、全ての辺に高い開放性が認められれば、
1m × 3m の3㎡の建築面積で、建蔽率を計算してOKとなります。(両端1m不算入)
容積率(延床面積)の上限:
用途が車庫であれば、他建築物と合わせた延べ床面積の1/5は不算入と出来ます。
例:住宅の延床面積が75㎡、カーポートの床面積が25㎡(5m×5m)の場合、
合計の延床面積(100㎡)の1/5である、20㎡分が不算入となります。
(結果、カーポートの床面積は、5㎡分だけ算入)
建蔽率・容積率ともに、カーポートは緩和要件が適用されやすい商品で、面積の規制にも余裕を持って対応できることも多いです。
一方、見落としがちなのが、「既存住宅の要件への影響」です。
見落としがちな既存住宅の要件への影響:
採光要件:
居室(人が過ごす部屋。リビング・個室など)には、一定以上の採光が出来る開口部(窓)が必要
→居室の窓の前にカーポートを設置する場合、窓からある程度の距離を離さないと、
採光要件不可となる可能性があります。
(窓から一定距離離すために、カーポートの大きさ自体も小さくしないといけないことがあります)
外壁後退・空地の確保による緩和(道路斜線制限など)への影響:
道路斜線制限では、「道路から住宅まで、他の建築物が無い」ことを前提に、緩和措置が適用されるケースがあります。
こうした「空地の確保」による緩和がある場合、空地にカーポートを建てることで、緩和が受けられなくなり、既存住宅の要件不備となる可能性があります。
→ある程度小さいカーポートを選ぶことで、十分な空地が確保できる可能性もあります。
カーポートの商品選びには、こうした既存住宅の要件への影響も考慮する必要があります。
③材質の規制(特に30㎡超の商品/防火・準防火地域)
カーポートの材質は、設置する地域の規制に応じた材質である必要があります。
各メーカー(LIXIL、三協アルミ、YKKAPなど)のカーポートは、よくある規制には対応していますが、それでも注意が必要なケースがあります。
特に注意が必要なケース:
- 30㎡超の商品
⇒よく屋根材で使用される「ポリカーボネート板」は使用不可となります。(アルミ合金や、熱線遮断FRP板などが必要に) - 防火・準防火地域での設置の場合
⇒これらの地域では、敷地内の建築物全てが「耐火建築物等」や「準耐火建築物等」であれば、建蔽率の緩和が適用されます。
カーポートが「耐火建築物等」・「準耐火建築物等」に該当しないことで、建蔽率の緩和の対象外となり、結果的に設置不可となる可能性があります。
④オプション・カスタムによる影響(スクリーンの設置、サイズの調整、柱位置の変更etc……)
ここまでで触れてきたように、カーポートには特有の緩和措置・規制等があります。
各メーカーの既製品のままであれば、基本的に、緩和措置をフル活用・規制をクリアできるような仕様になっています。
一方で、施主様の要望等に応じて、オプションを付けたり、カスタムを行ったりすることで、緩和措置が一部適用除外になったり、規制をクリアできなくなったりするケースがあります。
※例えば、柱の位置を変更することで、「高い開放性」の要件が満たせなくなり、建蔽率オーバーに繋がってしまうケースがあります。
オプション・カスタムは、緩和措置への影響を踏まえた上で、検討しましょう。
カーポートの設置場所決定のポイント
①隣地境界線からの距離/斜線制限
民法の規定により、原則、隣地境界線からは50cmの距離を離してカーポートを設置することが必要です。
どうしても50cm離すことが出来ない場合は、事前に隣人の合意を得る等の対応をしましょう。
また、各種斜線制限(道路斜線制限・北側斜線制限)にかからないような設置位置となっているかも確認しましょう。
②基礎の物理的干渉(配管・ブロック塀・住宅の基礎・室外機etc……)
工務店の方から、工事計画の案をいただいたときに、よくあるのが、「カーポートの基礎のサイズを考慮していない」ことです。
カーポートの基礎の大きさは、メーカーや業界団体(日本エクステリア工業会)によって指定されています。
基礎の大きさも考慮した上で、ブロック塀・住宅の基礎・その他の設置物(室外機等)にカーポートがぶつからない位置に設置しましょう。
また、配管(下水道管・雨水管など)も事前に確認し、配管に基礎が干渉しないような設置位置にしましょう。
③既存住宅の規制(特に採光要件)
「カーポートの商品選びのポイント」でも前述の通り、カーポート設置が既存住宅の要件へ影響を及ぼすこともあります。
採光要件・外壁後退・空地の確保など、既存住宅の要件も考慮の上、設置位置を決定しましょう。
④他の各種規制(特に自治体独自の規制)
自治体独自の規制・その地域特有の規制(各種協定など)があるケースもあります。
役所に照会する等して、出来る限り事前に独自の規制も含めて洗い出しをした上で、商品決定・設置位置の決定をしましょう。
専門家に依頼するのがおすすめです!
ここまで、カーポートの商品選び・設置場所決定の上で、考慮すべきポイントを共有してきました。
一方で、これらのポイント全てを、工務店の方が自ら、事前に調査するのは負担感が大きいです。
よりスムーズにカーポート設置を行うためには、弊社の専門チームにご依頼いただくのがおすすめです。
豊富な経験を持つ建築確認申請チームによる伴走支援
建築確認申請は、弊社の専門分野の一つです。
東京、名古屋、大阪各支店の建築確認申請チームが一丸となって対応し、申請をスピーディーに行います。
スピード対応
建築確認申請は、工事の前に行う手続きです。申請が遅れることで、カーポートの設置も遅れることとなります。
そのため、「スピード感」が重要となります。
弊社では、全国の拠点に居る専門チームにより、スピード対応ができます。
また、書類の作成から申請まで、一括して弊社が行いますので、お客様は自社の業務に集中して取り組んでいただくことが可能です。

