【最新版】IT導入補助金2025の採択率と対策を徹底解説!!
更新日:2025年9月26日

◆もくじ◆
IT導入補助金2025の基本概念
IT導入補助金の目的と概要
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者の皆様が、自社の課題やニーズに合致するITツールを導入するための経費の一部を国が補助することで、業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進することを目的とした制度です。この補助金を活用することで、企業はITツールの導入にかかる初期費用を抑え、生産性の向上や競争力の強化を図ることができます。
2025年度のIT導入補助金も、引き続き日本経済を活性化させるための重要な施策として位置付けられています。特に、インボイス制度への対応や、サイバーセキュリティ対策、サプライチェーン強化といった、現代のビジネス環境において不可欠な要素に焦点を当てた類型が設定されています。これにより、事業者の皆様は、ご自身の会社の成長段階や直面している課題に合わせて、最適なITツールを選定し、導入できる仕組みになっています。
IT導入補助金2025の申請類型は下記です。
- 通常枠(A・B類型):基本的な業務効率化ツールが対象
- インボイス対応類型:会計ソフトや受発注・決済ソフトといった、インボイス制度に対応するツールが重点的に支援
- セキュリティ対策推進枠:サイバー攻撃のリスク増大に対応するため、セキュリティツールの導入を促進することが目的
- デジタル化基盤導入類型:パソコン、タブレット、レジといったハードウェアの導入も支援対象となる点が大きな特徴
このように、多様なニーズに応えるための枠組みが包括的に提供されています。
IT導入補助金2025の類型(枠)と補助対象
IT導入補助金2025は、事業者の多様なニーズに応えるため、複数の類型(枠)に分類されています。それぞれの類型において、補助率、補助上限額、対象となる経費が異なりますので、自社の目的や導入を検討するITツールに応じて、最適な枠を選択することが不可欠です。
| 類型(枠) | 補助上限額 | 補助率 | 主な補助対象経費 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | 5万円~450万円 | 1/2 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費 |
| インボイス対応枠 インボイス対応類型 | (下限なし)~350万円 | 2/3~4/5 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費、ハードウェア購入費 |
| インボイス対応枠 電子取引類型 | (下限なし)~350万円 | 1/2~2/3 | クラウド利用料(最大2年分) |
| セキュリティ対策推進枠 | 5万円~100万円 | 1/2 | サイバーセキュリティ製品のサービス利用料(最大2年分) |
| 複数社連携IT導入枠 | (下限なし)~350万円 | 1/2~4/5 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費 |
2025年度採択率の推移と予測
2025年度におけるIT導入補助金の採択率は、例年と比べると全体として厳しい状況が続いています。2025年度における各公募回の採択率動向について解説いたします。
| 公募回 | 発表日 | 採択率(通常枠) |
|---|---|---|
| 1次公募 | 2025年6月18日 | 約50% |
| 2次公募 | 2025年7月24日 | 約41% |
| 3次公募 | 2025年9月2日 | 約30% |
1次公募の採択率は約50%となりました。これは、募集開始直後であるため、綿密な準備を進めてきた事業者の申請が多くを占めることが理由と考えられます。この結果は、IT導入補助金への申請を検討されている事業者の皆様に、早めに準備を開始し、初回の公募に臨むことの重要性を示しています。準備期間を十分に確保し、事業計画や必要書類の作成に万全を期すことで、採択される可能性が大きく高まります。
2次公募では、1次公募と比べて採択率が約1割低下し、約41%となりました。IT導入補助金の存在を知って急ぎで準備を始めた方も多く、申請内容に不備があったり、事業計画が甘かったりすることが目立ったためと考えられます。
3次公募は、採択率はさらに約1割下がり約30%という厳しい結果になりました。この段階では、不採択となった事業者のよる再申請が重なり、申請件数も増え、採択率が下がる傾向にあります。加点項目を最大限に活用し、事業計画書を完璧に仕上げるのはもちろん、その内容が審査員に深く響くような説得力を持つことが不可欠です。
2021年〜2023年の採択率から見る傾向
IT導入補助金は、年度ごとに目的や市場環境の変化に合わせて調整が加えられており、それが採択率にも反映されています。ここでは、2021年から2023年までの採択率を振り返り、その動向を分析いたします。
| 年度 | 平均採択率 |
|---|---|
| 2022年 | 平均59% |
| 2023年 | 平均76% |
| 2024年 | 平均69% |
審査基準の厳格化
IT導入補助金は、国民の税金を財源としており、その趣旨に基づき、補助金の目的である「生産性の向上」「業務効率化」「DX推進」に真に資する事業計画にのみ、補助金を交付する必要がございます。審査機関は、この責務を全うするため、年々審査基準を厳格化しています。
2025年度の審査で厳格に評価されている部分は?
- 事業計画の具体性:ただ「ITツールを導入して業務を効率化したい」という抽象的な内容では不十分です。具体的に「どの業務プロセスの、どの部分に、どのようなITツールを導入し、その結果として、どれくらいの時間削減やコスト削減が見込まれるか」といった、詳細かつ定量的な説明が求められます。
- 費用対効果:導入するITツールが、投資額に見合うだけの効果を生み出すかどうかが厳しく評価されます。事業計画書には、ITツールの導入によって売上がどの程度増加し、コストがどの程度削減されるか、その根拠となる数値を明記する必要がございます。
- DXへの貢献度:単なる業務効率化にとどまらず、当該ITツールが事業者のビジネスモデルそのものを変革するDXにどの程度貢献するか、という視点も重視されます。例えば、顧客データの分析に基づく新サービスの開発や、サプライチェーン全体の最適化といった、より高度なビジョンが評価の対象となります。
採択率低下はIT導入補助金2024の不採択事業者が再申請してるから?
2024年度の最終公募は、過去に例を見ないほどの競争率が高く、全国採択率は26%となりました。多くの事業者が駆け込みで申請を行った結果、不運にも不採択となった事業者が多くなり、これらの事業者が、2025年度の公募開始にあわせ再申請に臨んでいると考えられます。
再申請事業者の特徴
- 一度審査を受けている:2024年度に不採択となった事業者は、一度審査を受けているため、不採択の理由をある程度分析し、申請内容を改善した上で再申請を行っています。
- 高い準備度:一度申請書を作成していることから、書類の不備は少なく、事業計画も前回よりも綿密に練り込まれています。
- 加点項目の強化:前回の不採択を踏まえ、加点項目を積極的に活用したり、より説得力のある事業計画を策定したりしています。
これらの再申請事業者が多数いる2025年度は、単純な申請件数の増加のみならず、申請内容の「質」が全体的に向上しているため、新規の申請者にとっては厳しい競争環境であると言えます。
過去に採択された実績を有する企業への減点措置
IT導入補助金の目的は、より多くの事業者にITツール導入の機会を提供し、日本経済全体の生産性を向上させることにあります。そのため、過去にIT導入補助金での採択実績を有する企業に対しては、審査において減点措置が適用されます。
この減点措置は、補助金が特定の企業に偏ることなく、広く公平に分配されることを目的としています。過去に補助金を受けてDXを推進した企業には、ご自身の力でさらなる成長を遂げることが期待されていると考えられます。
ただし、インボイス対応類型やセキュリティ対策推進枠など、特定の政策目的を有する補助金については、この減点措置が適用されない場合も考えられます。申請を検討される際には、この減点措置の有無を、公募要領にて事前に確認することが重要です。
失敗から学ぶ!不採択の主な原因と審査の厳格性
IT導入補助金の審査は、年々厳格化されており、単に書類を提出するだけで採択されるわけではありません。不採択となる事業者の多くは、共通の要因により失敗しています。ここでは、不採択となる主な要因と、審査の厳格性について解説いたします。
不採択の理由1. 申請内容や書類の不備
最も基本的でありながら、最も多くの事業者が陥るのが、この「申請内容や書類の不備」です。補助金の申請は、単なるウェブフォームへの入力作業ではなく、複数の複雑な書類の提出を伴います。
具体的な不備の例:
- 申請書類の記載ミス:企業名、代表者名、所在地、電話番号等の基本情報に誤りが含まれる。
- 必要書類の漏れ:履歴事項全部証明書、納税証明書といった、必須とされる書類が不足している。
- 申請内容の整合性の欠如:申請書に記載された内容と、提出された書類の内容が一致しない。例えば、事業計画書に記載された役員情報と、会社謄本に記載された役員情報が異なる等。
- ウェブ申請時の入力ミス:IT導入支援事業者のIDや、導入するITツールの情報入力に誤りが存在する。
これらの不備は、審査機関に「当該事業者は、申請書を丁寧に作成する能力が欠如している」「補助事業を遂行する真摯さが不足している」という印象を与え、審査の初期段階で不採択となる可能性を著しく高めます。
不採択の理由2. 事業計画が審査項目に準拠していない
IT導入補助金の審査において最も重視されるのが、事業計画書です。この事業計画書が、審査項目に準拠していない場合、不採択となる可能性は非常に高くなります。
審査項目に準拠していない事業計画の例:
- 目的の不明確性:「ITツールを導入して業務を効率化したい」という漠然とした内容に終始する。
- 課題とITツールの関連性の希薄さ:事業者が抱える課題と、導入を希望するITツールが、論理的に結びついていない。例えば、「顧客管理を強化したい」という課題に対し、「勤怠管理システム」の導入を申請するようなケースです。
- 目標の不明確性・非現実性:「業務が効率化する」「売上が向上する」といった曖昧な目標。数値目標が設定されていない、あるいは目標達成に向けた根拠が乏しい。
- ITツール導入後のビジョンの欠如:導入したITツールをどのように活用し、事業全体をどのように変革していくか、という長期的なビジョンが示されていない。
審査機関は、事業計画書から、申請者がITツールを導入して何を達成しようとしているのか、そしてそれが補助金の目的に合致しているかを判断します。事業計画が審査項目に沿って論理的に構築されていない場合、審査員に事業の将来性や妥当性を納得させることは困難です。
不採択の理由3. 減点項目への該当
採択を達成するためには、加点項目を積極的に取り入れることが重要であると同時に、減点項目を回避することも同様に重要です。IT導入補助金には、特定の条件下で審査においてマイナス評価となる「減点項目」が存在します。
主な減点項目の例:
- 過去のIT導入補助金受給実績:前述の通り、同一企業が繰り返し補助金を受給することを避けるため、過去の採択実績は減点対象となる場合がございます。
- 類似の補助金受給実績:IT導入補助金と目的が重複する他の補助金を受給している場合、減点対象となる可能性があります。
- 申請情報の虚偽記載:申請書に虚偽の情報が記載されていることが判明した場合、一発で不採択となります。また、将来的には補助金の返還を求められる可能性もあります。
これらの減点項目を回避するためには、申請前に公募要領を隅々まで確認し、自社の状況が減点対象とならないか慎重に判断することが求められます。
IT導入補助金の採択率を向上させるための要点
2025年度の厳しい採択状況を克服し、IT導入補助金における採択を勝ち取るためには、戦略的なアプローチが不可欠です。以下に、採択率を劇的に向上させるための3つの重要な要点を解説いたします。
採択ポイント1. 加点項目の活用
IT導入補助金には、審査において有利となる「加点項目」が複数設定されています。これらの加点項目を積極的に活用することで、他の申請者との差別化を図り、採択される可能性を大きく高めることができます。
2025年度に特に重視される加点項目(予測):
- 賃上げ計画の策定:従業員の賃金を引き上げる具体的な計画を提出すること。これは、従業員のモチベーション向上や企業の持続的な成長に資するものとして高く評価されます。
- インボイス対応:2023年に導入されたインボイス制度への対応を計画に盛り込むこと。会計・受発注・決済ソフトウェア等の導入は、国が推進する政策と合致するため、非常に高い加点効果が期待できます。
- サイバーセキュリティ対策:サイバー攻撃のリスク増大の中、セキュリティ対策をIT導入計画に組み込むこと。セキュリティ対策推進枠のみならず、通常枠においても加点項目となることが多いです。
- 事業継続力強化(BCP)の取り組み:自然災害や感染症といったリスクに備え、事業を継続するためのITツールを導入すること。これは、企業の社会的責任としても評価されます。
加点項目は、単に申請書に記載するだけでなく、その計画が具体的かつ実行可能であることを示す必要がございます。
採択ポイント2. 論理的な申請書の作成
前述の通り、不採択の主要な要因の一つに、事業計画の不備が挙げられます。採択される申請書は、単に情報を羅列するだけでなく、審査員に「この事業は補助金を投入するに値する」と納得させる論理的な構成を有しています。
論理的な申請書を作成するための要点:
- 現状分析と課題の明確化:まず、自社が現在直面している課題を明確に記述します。「売上管理が属人化している」「顧客対応に時間を要している」など、具体的な課題を列挙してください。
- ITツールの導入による解決策の提示:当該課題を解決するために、どのようなITツールを導入するのか、そしてそのツールが課題解決にどのように貢献するのかを論理的に説明します。
- 目標設定と数値化:ITツール導入によって、どれだけの効果が期待できるかを具体的に数値で示します。「顧客対応時間が〇%削減される」「月間売上が〇円増加する」といった形で、定量的な目標を設定します。
- 導入計画と実施体制:ITツール導入に関する具体的なスケジュール(いつまでに何を完了させるか)と、担当者や責任者を明確に記載します。
- 補助事業後の展望:補助金を受けてITツールを導入した後、事業全体がどのように変革し、どのような持続的な成長が見込まれるかを記述します。
これらの要素が一貫したストーリーとしてまとめられている申請書は、審査員に好印象を与え、採択率を大きく向上させます。
採択ポイント3. 実績と経験を有する専門家への相談
IT導入補助金の申請プロセスは非常に複雑であり、自社のみで完璧な申請書を作成することは困難です。そこで頼りになるのが「IT導入支援事業者」や補助金サポートを専門とする専門家です。IT導入支援事業者は、IT導入補助金事務局に登録されており、補助金の申請からITツールの導入、事業の報告に至るまでを包括的にサポートしてくれます。
専門家に相談するメリット:
- 最新情報の把握:補助金の公募要領は頻繁に更新されますので、常に最新の情報を把握しています。
- 申請書類作成のノウハウ:過去の採択事例や不採択事例から得たノウハウに基づき、採択されやすい申請書の作成を支援してくれます。
- 最適なITツールの選定:自社の課題に最も適したITツールを選定する上で助言を提供してくださいます。
- 事務手続きのサポート:煩雑な事務手続きを代行してくれるため、事業者は本業に注力することが可能です。
特に、過去の採択実績が豊富な事業者は、採択されるための要点を熟知しています。相談に際しては、当該事業者の過去の採択実績や、自社の業界における経験の有無等を確認されると良いでしょう。
IT導入補助金2025の採択率は厳しい状況が予測されますが、本稿で解説した要点を踏まえることで、採択される可能性を大きく高めることが可能となります。早期の準備、詳細な事業計画の策定、そして信頼できるパートナーとの連携が、成功への鍵です。
IT導入補助金に関する主要な質問(FAQ)
Q1:申請から採択結果が通知されるまでの期間は?
A: 申請締切日より、約1ヶ月から1ヶ月半の期間で結果が発表されるのが通例です。ただし、公募回や申請件数によって変動するため、公式サイトにて発表されるスケジュールを定期的に確認されることを推奨いたします。
Q2:どのITツールでも補助金の対象となりますか?
A: いいえ、どのITツールも対象になるわけではございません。補助金の対象となるのは、IT導入支援事業者が登録・公開している「ITツール」に限定されます。公式サイトの検索ページにて、導入を検討しているツールが登録されているか、必ず確認してください。
Q3:複数の類型に同時に申請することは可能ですか?
A: いいえ、原則として不可能でございます。同一事業者が、同じ公募期間中に複数の類型に申請することは認められていません。導入するツールが異なる場合は別類型での申請は可能です。ただ、後で申請する枠は減点対象になりますので、注意ください。また、不採択となった場合、次回の公募にて再度申請することも可能です。
Q4:交付決定前にITツールを導入しても問題ありませんか?
A: いいえ、交付決定通知書を受け取る前に、ITツールの契約、購入、または導入を行うことは厳禁です。これらの行為は補助金の対象外となりますので、必ず交付決定を待ってから事業を開始してください。
Q5:IT導入支援事業者とはどのような存在ですか?
A: IT導入補助金の申請を支援する専門家であり、IT導入補助金事務局に登録されています。申請手続きの代行や、最適なITツールの選定、事業計画の作成支援など、包括的なサポートを提供してくださいます。
Q6:申請に必要となる書類は?
A: 主に以下の書類が要求されます。
- 履歴事項全部証明書
- 納税証明書
- 事業計画書
- 導入するITツールの情報
詳細については、公募要領またはIT導入支援事業者・専門家へご確認ください。
Q7:ハードウェアも補助金の対象になりますか?
A: はい、類型によっては対象になります。「デジタル化基盤導入類型」では、パソコンやタブレット、レジといったハードウェアの購入費も補助対象となります。ただし、ハードウェア単体では補助対象とならず、ITツールと合わせて導入することが条件となります。
Q8:審査で不採択となった場合の対応は?
A: 審査で不採択となった場合でも、次回の公募にて再申請は可能です。不採択の要因をIT導入支援事業者と共に分析し、事業計画や申請書類を改善した上で、再度申請に臨むことを推奨いたします。
(著者:大原)
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