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宿泊施設の無人運営は本当に可能か?令和7年法改正で高まるハードル

宿泊業界で進む「無人化」の流れ

近年、ホテル・旅館業界では人手不足や人件費高騰を背景に、
無人運営・無人フロントの導入 を検討する事業者が急増しています。
「無人チェックイン機の設置で省人化できるのでは?」と考える方も多いですが、
実際には法令上の要件が厳しく、完全な無人運営は極めて難しい のが現実です。

令和7年4月からの本人確認ルール ― ICT導入だけでは不十分

2025年4月から施行される「玄関帳場代替設備」の新ルールでは、本人確認が以下の3つの方法で認められます

  1. 従業者がビデオカメラで行うICT本人確認
  2. 自動チェックイン機+顔の録画による確認

一見すると「無人化が進めやすくなった」と思えますが、実際には

  • 宿泊時の承認操作が必要
  • 事前に宿泊者本人確認情報を共有する仕組みが必須
  • 宿泊者名簿や旅券確認を確実に実施

といった条件があり、単なるICT設備導入では法令を満たせない のです。

無人運営の大きな壁 ― 出入口管理と緊急時対応

無人ホテルを実現するうえで、特に難易度が高いのが 施設管理と緊急時対応 です。

出入口管理の課題

  • 宿泊者専用エリアには 施錠構造が必須
    →エレベーターを鍵で制御できる構造が望ましいです。
  • 出入口はビデオカメラで常時監視か録画が必要
    →特に録画は1ヶ月以上保存が可能な性能であることが求められています。

つまり、宿泊者と非宿泊者の出入り確認をどう担保するかが大きな課題となります。

緊急時対応の課題

  • 無人型の場合は、10分以内の駆けつけ体制が義務(駆けつけの移動手段は問いません)
  • 客室に通話機器とマニュアルの設置が必要

そして、通話機器とマニュアルは下記の通りになります。

通話機器の構造基準

営業者が準備した端末であること
→つまり、従業員(連絡先は遠隔地でも可能)への直通情報を含むQRコード等を客室に設置して、
 宿泊者の端末で読み取り、連絡をすることは認められません。
⇒この条件で悩まれる営業者様が多いのが現状です。

マニュアルの基準

通話機器の操作方法や緊急時の対応が記載されたものであること
→紙媒体でもデジタルでもどちらでも可能になります。
 ただし、最低限日本語の記載が必要になります。

周辺地域への個別説明 ― 無人運営導入時の必須手続き

無人運営を導入する際には、新規の旅館業営業許可だけでなく、
既存施設が営業変更申請によって無人化を行う場合にも、周辺地域への個別説明が義務付けられています。

説明対象の範囲

宿泊施設の敷地から20m以内にある土地に含まれる建物の住民全員が対象です。
つまり、集合住宅も対象の場合は、入居者全員になります。

説明の方法

  • 原則は対面による説明を実施
  • 実施内容を記録に残すこと

この個別説明は、単なる形式的な手続きではなく、
無人ホテルや無人旅館への地域理解を得るための重要なプロセス です。
説明不足や記録不備があると、営業許可の取得や変更申請が認められないリスクもあります。

つまり、無人運営を進めるには「設備投資」だけでなく、
近隣住民への丁寧な説明と合意形成が不可欠なのです。

最後に

複雑な要件の許可取得をサポートします!

名古屋の旅館業で無人運営を実現するのは、非常にハードルが高いのが現実です。
無人運営には、 従業員が24時間リアルタイムに監視する方法か、
ICT設備による本人確認と顔の録画を組み合わせる方法しか認められず、
単純に人を置かないだけでは行政の許可は下りません。
さらに、設備導入や申請書類の作成も複雑で、
初めて挑戦する事業者にとっては大きな負担となります。

そこで弊社では、 無人運営に特化した申請サポートを提供しています。
経験豊富なスタッフが、複雑な手続きやICT導入のポイントまで丁寧に支援。
初めての方でもスムーズに無人運営の申請を進めることが可能です。

                                         (署名:加藤尚央)

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