公衆浴場やプールを設置する際の注意点
投稿日:2025年7月17日

公衆浴場とプールの基本的な違い
公衆浴場やプール等の水回り施設を設置・運営する際には、単なる設備構築ではなく、
衛生基準・法令対応・自治体協議・安全管理といった多岐にわたる対応が求められます。
施設の性質を正確に理解し、初期段階から正しく理解することで、後の行政対応・運営効率・リスク回避に直結します。
公衆浴場とプール、それぞれの特徴とは?
施設の種類 | 目的・用途 | 規制のポイント |
公衆浴場 | お湯につかって体を清潔にし、リラックスする場所 | 公衆浴場法で衛生基準や設備要件が明確に定められている |
プール | 遊泳やレクリエーションを楽しむ水場 | 法律はないものの、各省庁が通知で衛生管理や安全基準を示している |
例えば、公衆浴場では「浴槽に入る前に身体を洗う」というルールがあるように、利用者の行動も含めた衛生管理が求められます。一方、プールでは循環式の水質管理が基本となり、消毒や監視体制が重要です。
衛生・運営に関する留意点
衛生面でも両者には明確な違いがあります。
公衆浴場では、定期的な換水・消毒、浴槽内の水質検査、利用者の洗体ルールなどが法的義務となり、施設利用者の衛生意識を前提にした設計と運営が求められます。
プールでは、塩素や次亜塩素酸などの消毒剤の使用、水質循環管理、監視員配置や誘導サインの整備など、安全面を重視した構造が必要です。
こうした施設特性により、設置段階から構造設計・運営計画・衛生運営マニュアルの策定など、多岐にわたる検討事項が発生します。
さらに、自治体ごとに届出要件・設備基準が異なるため、地域性を考慮した制度理解と事前協議のスムーズな実施が不可欠です。
法的規制と運営上の留意点
また、法的な位置づけや規制も異なります。
公衆浴場は「公衆浴場法」に基づき設置・管理される施設で、施設の設備基準や衛生管理が細かく定められています。
これに対し、プールを規制する法律はありません。
しかし、遊泳用プールにおける衛生確保、安全確保を目的として省庁から「遊泳用プールの衛生基準」「プールの安全標準指針」といった通知が出ており、用途に応じた安全基準や利用ルールが設けられています。
また、自治体の条例によって届出基準なども異なることから、事前確認をしっかりと行う必要があります。
公衆浴場とプールはどちらも公共の福祉に寄与する施設ですが、その目的と管理方法に合わせた適切な手続きが求められています。
よくある問い合わせ
温浴施設の開業や運営に関するご相談を多数いただいています。以下は、実際に寄せられることの多いご質問です。
・温浴施設内で飲食物を提供したい
施設内での飲食提供には、保健所の許可や施設構造の基準など、複数の法令が関わります。営業形態に応じた適切な申請手続きをご案内いたします
・ 温泉水を使った温水プールを作りたい
温泉水の利用に関する規制など、構造・衛生・用途に応じた許認可が必要です。計画段階からサポートいたします。
・ 景観を活かした温浴施設を建てたい
眺望を確保しながら建築基準法や景観条例をクリアするには、事前の調査と行政との調整が重要です。地域特性に合わせたアドバイスを行います。
・ 水着を着用の上、男女共用サウナを設置したい
利用者の安全性や衛生管理、施設構造に関する基準を満たすだけでなく、風紀上問題ないか保健所と要協議が必要です。また、自治体によっては、条例にて男女混浴が厳禁とされている自治体もありますので、希望の運営スタイルが、風呂として可能であるのか、プールとして整理する必要があるのか整理する必要があります。条例やガイドラインを踏まえた設計・運営のポイントをお伝えします。
上記以外にも、温浴施設に関するお悩みやご不明点がございましたら、お気軽にご相談ください。
施設の魅力を最大限に引き出すための法的サポートを、丁寧にご提供いたします。
まとめ
公衆浴場とプールは、利用目的や施設の特徴、衛生管理や法的規制においてそれぞれ異なる側面を持っています。
利用者の安全と快適さを確保するためには、それぞれの施設に適した管理・運営が不可欠です。
計画段階から行政書士に相談することで、スムーズに開業が可能となります。
お困りの点がありましたら、ぜひ弊社へご相談ください。