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ルールチェンジを乗りこなせ! ~留学生向けの「特定活動」の新設~

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大学を卒業後、大学院へ進学する留学生(進学待機者)向けの「特定活動」が新たに設けられました。

近藤 環

■今回のルールチェンジ

大学を卒業してから大学院へ進学するまでの間、
「特定活動(進学待機者)」として日本に滞在ができるようになります。


<対象となる方>

大学を卒業後、大学院への進学が決定している留学生で、

大学院の入学時期が「留学」の在留期間の満了後である方。

例:2023年9月に大学を卒業し、2024年4月に大学院へ進学する方

<主な要件>

進学先の大学院において、以下の事項を誓約し、誓約書を提出すること。

・定期的に(少なくとも3か月に1回以上)連絡をとること

・入学を取り消すべき事由が発生した場合には遅滞なく入管へ連絡すること

・入学前に留学を目的とする在留資格変更許可を受けるよう指導すること

・その他日本国法令を遵守させること

■改正の背景

令和5年4月27日に教育未来創造会議において取りまとめられた「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ」を踏まえ、 外国人留学生の大学院への進学を促進するために新設されました。

日本での外国人留学生の受入は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い減少し、

留学生の受入数の改善が喫緊の課題となっています。

留学生の卒業後の環境整備を通じて、優秀な外国人留学生の受け入れや、卒業後の日本定着度の向上が期待されています。

■専門家の視点
〇従来との違い

これまでは、大学を卒業後に大学院への進学が決定していても、大学院の入学前に在留期限を迎える場合には、原則、一度帰国して、大学院の入学時期に合わせて再度来日する必要がありました。

しかし、今回の在留資格「特定活動(進学待機者)」の新設により、

大学を卒業後、日本に滞在しながら大学院の入学時期を待つことができるようになります。

〇資格外活動許可

特定活動の在留資格変更とあわせて「資格外活動許可」も取得すれば、週28時間以内のアルバイトも可能です。

これまでは、大学を卒業後に一度帰国して再来日する場合、アルバイト先を離れなければなりませんでしたが、「特定活動(進学待機者)」は資格外活動許可も取得できるため、大学院へ進学するまでの間、アルバイトを継続することも可能になります。

〇永住許可申請との関連

永住許可申請を行う場合、原則として「引き続き10年以上日本に在留していること」が必要です。

そのため、大学を卒業して帰国する場合、日本での在留歴は一度リセットされ、大学院入学のために来日した日からの起算になってしまいます。

しかし、大学を卒業後、特定活動(進学待機者)として在留を継続し、その後大学院へ進学すれば、日本での在留歴は最初に来日した日からの起算になります。

■ルールチェンジを乗りこなすポイント

特定活動(進学待機者)として滞在できることにより、上記のようなメリットがあります。

〇留学生の皆さま

特定活動(進学待機者)は、進学する大学院の協力が必要な在留資格です。

申請を希望する方は、まずは大学院の方へ相談してみてください。

大学院の協力があれば、弊社で申請サポートが可能です!

〇大学・大学院のご担当者さま

特定活動(進学待機者)は、行政書士の申請取次が可能です。

ぜひお気軽にご相談・ご依頼ください。