APECビジネストラベルカード(ABTC)メリット全面解説
投稿日:2025年7月14日
◆ APECビジネストラベルカードとは
APECビジネストラベルカード(以下、APECカード)は、アジア太平洋経済協力(APEC)に加盟する19の経済体のビジネスパーソンのために設けられた特別な渡航カードです。APECカードを所持することで、対象となる経済体へのビジネス渡航が簡素化され、ビザの申請手続きを繰り返す必要がなくなります。
現在の対象経済体は以下の通りです:
オーストラリア、ブルネイ、チリ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム
※アメリカとカナダは現在「移行経済体」とされており、カードの申請はできませんが、APECカード保持者には入国審査の簡素化など一部の特典が提供されています。

◆ APECカードのメリット
◇ 時間とコストの大幅な節約
カードの有効期間(5年間)の間、対象となる経済体への渡航に際して、毎回ビザを取得する必要がありません。煩雑な招待状の提出や手続きが不要となり、時間と経費の節約につながります。
◇ 複数国でのスムーズな移動
APECカードと有効なパスポートを携帯していれば、事前に承認された経済体への渡航が容易になります。1回の申請で複数の国・地域をカバーできるのが大きな魅力です。
◇ 優先レーンでの入出国
多くの加盟国・地域の空港では、APECカード専用の入出国ゲートが設けられており、スムーズかつ迅速な手続きを受けることができます。
◇ 滞在期間の優遇
APECカードは、実質的に「数次ビジネスビザ」として機能します。有効期間中は、対象国ごとに定められた期間内で繰り返し滞在が可能です。
- 最大90日間の滞在が可能な国:
オーストラリア、ニュージーランド、ロシア、日本、韓国、タイ、ブルネイ、メキシコ、ペルー、チリ - 最大60日間の滞在が可能な国:
インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム、パプアニューギニア
※カードの有効期限が滞在可能期間を下回る場合は、カードの期限内に出国が必要です。
◇ その他のビザ申請時にも有利
APECカードはAPEC非加盟国へのビザ申請時にも有利に働くことがあります。たとえば、欧米諸国などに渡航する際、APECカードを提示することで審査がスムーズになるケースも多く、審査通過率が高まるといわれています。
◆ ビジネスの可能性を広げる一枚
APECビジネストラベルカードは、アジア太平洋地域におけるビジネスの流動性を高め、企業の国際展開をより加速させる強力なツールです。
「より早く、より自由に、より効率的に」―― APECカードの取得を通じて、国境を越えたビジネス活動にさらなる可能性を見出してみてはいかがでしょうか。