ホテル・旅館における消防計画の重要性と旅館業営業許可との関係
投稿日:2025年4月23日
ホテルや旅館を開業するにあたり、「旅館業営業許可」を取得するには、消防計画の整備が不可欠です。
消防法に基づく体制が不備のままでは、許可申請が認められない、あるいは営業開始が大幅に遅れる原因となります。
消防計画は「旅館業営業許可」の前提条件
消防計画とは、火災等の災害に備えた予防・対応体制を文書化したもので、消防法第8条に基づき、所轄消防署への届出が義務付けられています。
特に宿泊業(旅館業)では、多数の利用者を収容することから、迅速かつ安全な避難体制が必須です。
保健所に対する「旅館業営業許可」申請では、以下の消防関連書類の提出が求められます。
– 消防計画:防火管理体制・避難誘導・訓練計画などを記載した文書
– 消防法令適合通知書:消防署が発行する、建物が法令に適合している証明書
– 防火管理者選任届:延床300㎡以上、または宿泊定員10名以上で義務
消防計画の作成・届出の流れ
1. 防火管理者の選任(必要に応じて)
– 延床面積300㎡以上または宿泊定員10名以上の施設で必要
– 所定の「防火管理者講習」を受講し、修了証を取得
2. 消防計画の作成
– 所轄消防署の指導に基づき、施設の構造・収容人数・営業形態に応じて内容を策定
3. 所轄消防署への届出
– 初回届出に加え、変更があった場合の再提出も必要
– 書類受理後に、現地確認・指導が行われることが多い
4. 消防訓練の実施と記録
– 年1回以上の「避難訓練」「初期消火訓練」の実施が求められるケースあり
– 実施日時・参加者・内容の記録を作成し、一定期間保管が必要
よくある不備・指摘例
– 避難経路と図面が一致していない(表示と実態に差がある)
– 火災発見から通報・避難開始までの段取りが不明確
– 避難・消火訓練が未実施・記録未作成
– 民泊(簡易宿所)で適合通知書は取得済だが、消防計画を未作成
まとめ
消防計画は、ホテル・旅館の営業における安全体制の要です。
単なる「書類作成」としてではなく、命を守る実効性あるマニュアルとして構築することが求められます。
また、旅館業営業許可と密接に関係しているため、開業を目指す際は早めに準備を始めましょう。
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