無登録業者との取引に注意を
投稿日:2026年10月18日
| はじめに |
行政書士として金融・不動産分野の新規事業・スキームに関する相談対応をする中で、一定数遭遇するのが「自覚なく無登録業者が関与しているスキーム」です。
昨今、金融・不動産分野は、事業設計やビジネススキームの複雑化・多様化により、遵守すべき法規制も増加・複雑化・横断化する傾向にあり、「意図せず無登録業者と提携/関与しているケース」、「自社/グループ会社の行為が金商法上の無登録営業に該当するリスクを抱えているケース」等が増えている印象を受けます。
金融庁においても、無登録業者との取引リスクについての注意喚起を行うとともに、無登録で営業を行う事業者への警告書の発出・名称公表や、悪質な事例に対する処分等を行っています。
本トピックスでは、金融庁が行う無登録業者への対応に触れながら、金融商品取引業者が無登録営業に関与することがないよう留意すべきポイントを解説します。
| 監督官庁の対応 |
金融庁の注意喚起「無登録業者との取引は要注意!!」
金融庁ホームページでは、「無登録業者との取引は要注意!!~無登録業者との取引は高リスク~」と題する注意喚起情報を掲載し、広く警戒を呼びかけています。
本来、日本の居住者に対して、株・FX取引・暗号資産取引等の金融商品取引業・暗号資産交換業を行う場合、日本の法令に基づく登録(ライセンス)を受ける必要があります。
無登録業者は、登録業者が整備している「顧客保護のための厳格な内部管理態勢」が整っていない可能性が高く、実際、「急な出金拒否」「急に連絡が取れなくなる」等のトラブル報告が多く寄せられているそうです。
無登録業者への警告書発出等
金融庁では、登録等を受けている業者一覧をホームページ上で公表するとともに、金融事業者検索サービスを提供しています。
また、無登録で金商業等を行っている者に対しては、警告書を発出し、その旨を公表しています。
以下の金融庁ホームページでは、過去に警告を行った事業者情報も掲載・公表されています。
(参考) ・無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について
・無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について
・警告書の発出を行った適格機関投資家等特例業者の名称等について
・違法な金融業者にご注意!(貸金業者)
「海外現地のライセンス保有情報があったから」「日本語のホームページがあったから」「日本の友人/知人が既に取引をしていたから」等で安易に取引をしてしまうと、後々取り返しのつかないトラブルや法的問題に発展するリスクがあります。
無登録業者との取引・関与することがないよう、取引を行う前に、上記金融庁ホームページの公開情報を参考に、必要な登録等を受けているか/無登録業者として警告を受けていないか等を、十分に確認しましょう。
| 専門家の視点 |
特に注意すべき事例・落とし穴
[1]海外/海外事業者/海外金融商品が絡む場合
特に注意が必要なのは、「海外/海外事業者/海外金融商品が絡むスキーム」です。
「海外ライセンス保有=日本でも営業可能」と誤認されているケースが多いですが、日本で/日本の居住者に対して金融商品取引業等の営業・勧誘・取引等を行う場合は、原則、日本の法規制に従って、日本で登録(ライセンス)を受ける必要があります。
当然、「海外現地でのライセンス保有」をもって、日本の登録業者と同等の投資者保護・内部管理態勢が整備されているとは限りませんので、注意して下さい。
また、クロスボーダー取引では、日本と海外現地の両方の法規制を遵守することが大前提です。
グローバルではスタンダードな金融商品等でも、日本に持ち込む/日本の投資家に提供する場合には、別途、日本の法規制に従った登録(ライセンス)や特別な手続きが必要な場合もあります。
(例:外国籍ファンドの日本販売時には、事前に、投信法上の届出が必要 等)
[2]「助言・アドバイス・コンサルティング」が絡む場合
「助言・アドバイス・コンサルティング」が絡むケースも要注意です。
不動産コンサルティングや経営相談、資産形成に関する相談等を行う際、アドバイスの延長として、有価証券(ファンドや不動産信託受益権を含む)に関する投資判断・助言を提供している(投資助言・代理業に該当)ケースがあります。
「金融商品等そのものを提供している訳ではない」「本来のコンサルティング業務の延長線(業務の境界線が曖昧)」ということもあって、投資助言・代理業に該当するリスクを検討しないまま、無自覚に一線を越えてしまうケースがあります。
また、顧客対応の一環で/現場担当者判断で発生しやすいのも特徴で、経営陣やコンプライアンス部門の目に触れにくい(問題が表面化しにくい)のが難点です。
実際、弊社の内部監査支援の際に発覚することが多いポイントだったりします。
サポート行政書士法人の担当者コメント
新しい事業・ビジネスモデル・スキームを行う際には、事前の法的整理・検証が重要です。
特に、日本の許認可・業規制観点での検討が手薄になっていませんか。
金融・不動産分野では、「無自覚に無登録業者が関与していた」「海外ライセンスで大丈夫だと誤認していた」等の事態が、事業開始・継続上の致命的なリスクになりかねません。
サポート行政書士法人では、構築中のビジネスモデル・スキーム等に対して、許認可・業規制に関する専門的観点から精査・助言を行っています。新規事業を開始する前に、ぜひご相談ください。
以上
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