自動車車庫等の設計で一級建築士が業務停止処分に|カーポートでも注意したい自治体独自の建築規制
投稿日:2026年9月3日
カーポート・ガレージでも法令・条例の規制の確認が重要です
「住宅ではなく、車を停めるための車庫だから、それほど厳しい規制はないだろう」
カーポートやガレージについて、このようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、自動車車庫も建築基準法その他の法令による規制の対象となる建築物です。
また、建築する地域によっては、建築基準法だけではなく、条例によって独自の規制を設けている場合があります。
この記事では、実際の処分事例を通じて、規制の確認の重要性を改めてお伝えします。
2026年9月 自動車車庫等による一級建築士の処分事例
2026年9月、京都府内の建築物について、京都市建築基準条例に違反する自動車車庫等の出入口を設計したことを理由として、一級建築士に対する業務停止処分が国土交通省から公表されました。
今回公表された事例では、京都府内の建築物の設計が、建築基準法第40条および第43条第3項に基づく京都市建築基準条例第32条に違反していました。
その結果、設計をした一級建築士には「業務停止14日」の処分が行われました。
問題となったのは、建物全体の構造強度などではなく、「自動車車庫等の自動車の出入口の位置」です。
国土交通省の公表資料では、都市計画区域内において、条例で制限されている交差点付近に自動車車庫等の出入口を設ける設計を行ったことが、処分原因として明記されています。
建築基準法だけでなく、条例の確認も必要
ここで重要なのは、建築基準法だけを確認していれば足りるとは限らないという点です。
建築基準法は、全国の建築物に適用される基本的なルールを定めていますが、地域によって、土地の状況や建築物の利用状況、交通事情などは異なります。
このため建築基準法では、地方公共団体が一定の場合に条例によって制限を付加する仕組みが設けられています。
実際、今回の事例は、「京都市建築基準条例」等によって独自の制限を付加していることを明らかにしています。
つまり、「建築基準法には違反していないように見える」というだけで設計を進めるのではなく、「その地域の条例では、さらに厳しい規制が設けられていないか」まで確認する必要があります。
処分事例の中身(京都市独自の規制の内容)
今回問題となった京都市のルールを具体的に見てみましょう。
京都市建築基準条例では、「自動車車庫又は自動車修理工場」のうち、その用途に供する部分の床面積の合計が50㎡を超えるものを「自動車車庫等」としています。
京都市条例第32条の規制が、すべての小規模な家庭用カーポートにそのまま適用されるわけではありません。
一部の大型カーポート(3台用、4台用など)の場合に、50㎡超の設置面積となるのであれば、適用対象となります。
京都市では、この(50㎡超の)自動車車庫等について、都市計画区域内にある場合は、自動車の出入口を設ける場所に制限を設けています。
具体的には以下の通りです。
(参考:京都市建築基準条例第32条)
幅員6m未満の道路に接する場所
交差点の側端または一定の曲がり角から7m以内の道路に接する場所
縦断勾配が12%を超える道路に接する場所
小学校、幼稚園、公園などの主な出入口から半径10m以内の場所
その他、市長が交通上・安全上支障があると認めて指定する場所
例えば交差点のすぐ近くに駐車場の出入口があれば、車の出入りと交差点を通行する車両や歩行者が重なり、交通上の危険が生じます。
京都市が公開している建築法令実務ハンドブックでも、この規定は、自動車車庫等の出入口が道路等に直接接することによる交通上の危険を防ぎ、「人命の安全を図る趣旨」で設けられていると説明されています。
カーポートでも油断せず、法令・条例の調査が重要
カーポートについても、「簡易な屋根と柱だけだから」という理由だけで建築確認申請が不要になるわけではありません。法令に基づき建築確認申請が必要です。
その上で、建築確認申請を行うにあたり、「自治体ごとのルール」まで確認することが重要です。
カーポートや自動車車庫は、住宅本体と比べれば単純です。
しかし、規制の内容は幅広く、調査が不十分だと、気付かぬうちに法令・条例に違反した建築物を設置してしまうことになります。
違反建築物を建ててしまうことは、カーポートのみならず、住宅・敷地全体の価値も下げてしまいます。
(違反が原因で、売却の際に不利に働く等)
今回の事例では、自動車車庫等の「出入口の位置」という、一見すると細かな規定への違反が、一級建築士の業務停止処分につながっています。
カーポートや自動車車庫を設置する場合には、「確認申請が必要か」だけではなく、「その土地にはどのような建築規制が適用されるのか」まで事前に確認することが重要です。
まとめ:カーポートの建築確認申請は「サポート行政書士法人」にお任せください
今回の一級建築士に対する処分事例からも、自動車車庫等が決して「簡易な建築物だから規制も軽い」というものではないことが分かります。
また、建築基準法だけでなく、京都市のように自治体独自の条例によって、建築物の用途や規模、出入口の位置などについて追加の規制が設けられている場合があります。
カーポートを適法に設置するためには、建築確認申請の要否だけを判断するのではなく、敷地条件や地域指定、自治体独自の規制まで含めて確認することが重要です。
サポート行政書士法人では、新3号建築物であるカーポートの建築確認申請について、図面作成や行政・指定確認検査機関との調整を含めてサポートしています。
「このカーポートは確認申請が必要なのか知りたい」
「自治体ごとの基準まで調べるのが難しい」
「施工件数が多く、確認申請業務を外部に任せたい」
といった一般の施主様・施工会社様からのご相談にも対応しています。
カーポートの建築確認申請でお困りの場合は、ぜひサポート行政書士法人までお問い合わせください。

