企画というのは焚き火に似ている

企画というのは焚き火に似ているなぁと思います。

まずは燃えやすい、落ち葉のようなものを拾い集めて、
マッチかライターか、あるいは錐揉み式で火をつけて、
そして太い薪を継ぎ足していき、大きな炎になっていく。

燃えやすい物を集めて、火をつけて、火を大きくしていく。

燃えやすい物…企画の種というのは、皆、心の中にいろいろあると思います。これが出来たら良いな、と多くの人がいくつも持っていると思うのです。

しかし、それだけでは何も起こらない。

マッチもライターもない森の中で、乾燥した葉がいくらあっても、火をつけることはほぼできません。(山火事のように、落雷で火が付くことはあるかも知れませんが)

ですが企画にするためには、火をつけることが必要です。

企画をしたことがない人は(誰だって最初はそうです!)、マッチもライターもファイアスターターもなく火をつけなくてはいけません。

道具は錐揉み式です。

仮に道具があっても、火をつけるのは大変です。

何度も手が擦りきれるまで、錐揉みさせていく、この労力は必要です。

例えば企画作成の本を読む、ということは、あくまで錐揉み式の板だったり紐だったりを手に入れるだけで、火をつける労力そのものを手に入れることは出来ません。

何を読んだって、錐揉みを回す労力を省略することは出来ません。

で、やっとの思いで火種をつくって、でもそれが集めた落ち葉に引火するかも、これも運です。

そして・・・やった!火が付いた!

しかしそこからがスタートです。集めた落ち葉はすぐ燃え尽きてしまいます。

そうなる前に必死で薪を探して、くべて、探して、くべて。大き炎にするために、くべてくべてくべて。くべて。

これが企画という物だろうなぁと。

でも、いくらやっても雨がふれば、焚き火は消えます。
またどんな企画もせいぜい一晩程度。夜の間程度しか続きません。

しかし何かを変えて何かを作るためには、企画を立てないことにははじまりません。

人の企画に火をつける

錐揉み式で火をつけた経験を重ねていくと、火をつけること、それ自体が上手くなっていきます。ノウハウもたまっていき、マッチやライターをつけるぐらいに簡単に火をつけることが出来るようになります(そうなると集める落ち葉やくべる薪が問題になってきます)。

しかし、それだけでは人の企画を大きな炎にすることはできないのだな、と実感します。

企画という物は、原則、自分の森で、自分の樹の落ち葉を使って、薪を使って、必死こいて火をつけてやる物です。よその人間が火だけつけに来ても、薪を拾い、くべるといった実際の重労働は、誰かがやるしかありません。

そして自分で火をつけた経験がない人に、いきなり火を渡したところで、その火を大きくするための努力を引き出すことは出来ないのだな、と。

企画のための努力を延々とするためには、日常の業務と合わせてやらなくてはいけません。自分の企画だと思って、時間や体力を削ってゴリゴリやった経験がないと、企画になりました!さぁ時間を割いてください!といきなりやっても、絶対に動けないんです。

実務が忙しい。緊急対応があって。

そういった言い訳をしているうちにつけた火は消えていき、後に残るのは企画の燃えかすだけになります。イノベーションのジレンマに近いかも知れませんね。大きな企業にはこうした燃えかすが澱のように溜まってよどんでいるんでしょう。(決裁の厚さで諦めるという点と、忙しくて諦める、そうしていく内に、死んだ企画が溜まっていき、燃やせる葉っぱもなくなっていく…)

企画屋として重要なのは、ロジカルシンキングとかをつかって、スマートに分析して企画を立てることではないのだな、と思います。

その人が企画に対して真剣になり、プラスアルファの時間や労力を割いてくれるように誘導すること、これが一番重要だと思うのです。

企画屋が入ったことのない森で、落ち葉を集めたり薪を集めるのは、難しいです。その道何年という人に、素人が数週間やそこらで気づきやアイディアで敵うはずがないのですから。

だから、企画の種、宝を持っている、その人を主人公にしなくてはいけません。その人の中を掘り下げていき、これは行けそうだ!というネタをまず自分で見つけてもらう。可燃性の葉っぱを自分の力で、労力をさいて集めてもらう。

そして企画屋がマッチで火をつけるのではなく、その人に錐揉み式の道具を渡すのです。もちろんそれだけでは絶対に火はつかない。だから台を支えてあげるとか、そういったサポートをする。

あるいはあえて錐揉み式を企画屋がやってあげる。で、作った火種をその人に任せるんです。火種から引火させるのは結構難しいので、何度も失敗します。でも労力を割いてなんども何度も火種を作ってあげる。何度も何度も。

そして火が付いたとき。自分で薪を率先して探しに行くようにリードしておかないといけない。

あ、なんか火が付いたなぁ、ぐらいの認識ではダメで。一緒に手を取り合って、努力を共有して、火がついに付いた!という感動を自分の物だと思ってもらわないといけない。

企画屋の仕事って、人を導く事なんだろうなと思います。火をつけてあげるのではなく、一緒に火をつける。自分の火を大きくすることではなく、その人の火を大きくしてあげる。

これを絶対に外していけないですね。

企画屋は自分の企画以外、常に裏方でいなくては。火起こしのインストラクターでなくてはならないのだな、と。

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