トピックス

【適格機関投資家等特例業務】密接関係者などの「出資割合50%以下規制」の全体像

適格機関投資家等特例業務は、投資家層・投資家数などに「一定の制限」が加わる代わりに、金融商品取引業の「登録」無しで「届出」でファンドの自己募集・自己運用が可能となる業務です。
この「一定の制限」の中でも特にルールが複雑なのが、「密接関係者などの出資割合を50%以下にしなければならない」という規制です。

この「出資割合50%以下規制」の全体像について、解説します。

適格機関投資家等特例業務の規制を理解するためには、投資家区分を理解することが重要です。
特例業務に関係する投資家区分について、どのような特徴があるのか、整理したものがこちらです。

投資家層
(根拠条文)
適格機関投資家
(QII)
令第17条の12
第1項
第6号以外
令第17条の12
第1項
第6号
(密接関係者)
令第17条の12
第2項
(知識及び経験を有するもの)
左記いずれにも
該当しない者
該当する者の例
(抜粋)
銀行、保険会社など上場会社
資本金5,000万円以上の法人
純資産5,000万円以上の法人など
当該業者自身の役員・使用人、親会社等、子会社等、兄弟会社など上場会社の役員
企業財務・投資業務等について所定の実務経験を有する者など
左記の出資資格をいずれも満たさない個人・法人
特例業務ファンド(次行を除く)への出資可否
可可可不可不可
令第2項の要件を
満たす特例業務ファンドへの出資可否
可可可可不可
「49名以下」の
人数に数えるか
数えない数える数える数える―
(出資不可)
50%規制対象か規制対象外規制対象外原則、含める
(※例外あり)
原則、含める
(※例外あり)
―
(出資不可)

「密接関係者(当該特例業者と密接な関係を有する者)」及び「投資に関する事項について知識及び経験を有するもの」からの出資割合が出資総額の50%以上である場合は、特例業務として認められず、金融商品取引業の登録が必要となります。

上記の表で、これらの2者は50%規制対象に「原則、含める(※例外あり)」と記載しました。
この例外は、下記の3つです。

  1. 適格機関投資家(QII)
  2. 令第17条の12第1項(第6号以外)に該当する者
  3. 「ファンド資産運用等業者(当該特例業務届出者)」の役員、使用人及び親会社等

1.と2.は、どちらも上記の表で「(令第2項の要件を満たさない)特例業務ファンドへの出資可否」が「可」となっている投資家です。
つまり、「密接関係者・知識及び経験を有するもの」以外の要件でも、特例業務への出資要件を満たしている投資家は、50%規制の対象外となり、
(令第2項の要件を満たさない)特例業務ファンドへの出資が(密接な関係が無ければ)出来ない「密接関係者」・「知識及び経験を有するもの」は50%規制の対象範囲内となります。

また、3.により、ファンド資産運用等業者(当該特例業務届出者)の役員、使用人及び親会社等も50%規制の対象外となります。
※なお、金融庁のパブリックコメント(掲載ページ)No.31への回答により、法令の条文中の「ファンド資産運用等業者」は「当該特例業務届出者の役員又は使用人のみが含まれ、他の特例業務届出者の役員又は使用人は含まれないものと考えられ」ます。

(令第2項の要件を満たさない)特例業務ファンドへの出資が(密接な関係が無ければ)出来ない「密接関係者」・「知識及び経験を有するもの」が50%規制の対象となる趣旨について、金融庁はパブリックコメント(掲載ページ)No.148において、次のように回答しています。

基本的に適格機関投資家を対象にするという適格機関投資家等特例業務の制度趣旨を踏まえ、出資者の大宗が同条第 1 項第 2号イ若しくはロ又は第2項第2号イ若しくはロに掲げた者となることは適当ではないことから、これらの出資者からの出資割合を一定の水準未満にすることとしているものです。

※上記太字部分 = (令第2項の要件を満たさない)特例業務ファンドへの出資が(密接な関係が無ければ)出来ない「密接関係者」・「知識及び経験を有するもの」です。

適格機関投資家等特例業務の届出をした後も、投資家の追加・脱退が起きた際や、適格機関投資家の届出有効期限が切れた場合など、密接関係者などの出資割合が変動したり、そもそも特例業務の要件の充足状況が変わったりする可能性があります。

投資家属性・投資状況を把握し、法令を遵守できるようにしましょう。

特に、適格機関投資家(QII)の届出については、対応が抜けてしまい特例業務の要件不備となってしまう方や、届出タイミングが分からない方も居ます。
特例業務を行う中で必要な手続きについて、ご相談・手続き代行の依頼をご検討の方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。