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化粧品の成分における特記表示の改正について

2025年に入り、化粧品業界では「特記表示」に関する制度の改正が行われました。
この改正は、消費者の安全性確保と製品選択の透明性を高めるために実施されたものです。
本記事では、「特記表示」とは何か、なぜ改正が行われたのか、具体的にどのような変更があったのかをわかりやすく解説します。

化粧品の「特記表示」とは、通常の成分表示とは別に、特に注意喚起や説明が必要とされる成分や効果に関して、製品のパッケージや添付文書などに明示する表示のことです。

例えば、

  • アレルギーを引き起こす可能性のある成分
  • 医薬部外品と誤解される恐れのある効能効果
  • 特定の機能性を強調する表現(例:「ノンシリコン」「無添加」)

これらは消費者に対して誤認を与える可能性があるため、明確なガイドラインに基づいて表示される必要があります。

今回の改正の背景には、以下のような課題がありました。

消費者の誤認防止:一部の表示が、実際の成分の有無や効果を誇張・誤解させる恐れがある。

「無添加」や「オーガニック」の曖昧な定義:これらの表現には業界内で統一された基準がなく、製品間の比較が困難。

SNSやECサイトの普及に伴う表示の拡散:インターネット上での誤解を招く表現が急増。

こうした状況を踏まえ、厚生労働省および関係機関は、より明確で統一された表示ルールを設けることで、消費者の適切な判断を支援し、業界全体の信頼性を向上させることを目的としています。

1.「無添加」表示のガイドライン明確化

「防腐剤無添加」「香料不使用」などの表示を行う場合には、具体的にどの成分が含まれていないかを明示することが義務化されました。曖昧な「無添加」表現は禁止されます。

2.アレルゲン表示の強化

アレルギーを引き起こす可能性のある特定成分(例:ラノリン、香料など)については、注意喚起の表示を強化し、一定濃度を超える場合は必ず明記する必要があります。

3.機能性表示の規制強化

医薬品的な効果効能を連想させる表現(例:「シワを消す」「美白を保証」など)については、科学的根拠とともに表現を裏付ける必要があり、不適切な表示は取り締まりの対象になります。

4.ECサイト・SNS上の表示も規制対象に

製品パッケージだけでなく、オンライン上での販売ページや広告、インフルエンサーの投稿も特記表示の規制対象に含まれます。

化粧品の成分における特記表示の改正は、消費者の安全と製品選択の公平性を確保するための重要な取り組みです。これにより、業界全体の表示の透明性が向上し、消費者がより正確な情報に基づいて商品を選べるようになります。製造・販売事業者にとっても、信頼性ある商品づくりの指針となるこの改正を、しっかりと理解し対応していくことが求められます。

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