倉庫業登録

倉庫管理主任者とは?概要・要件・業務内容

更新日:2025年12月24日


倉庫管理主任者とは、平成14年4月1日に施行された「倉庫業法改正」に伴い、新たに設けられた資格です。

この資格は、倉庫を適切に管理するための専門知識と能力を持つ人物を認定するものであり、倉庫の防災、保守、管理といった多岐にわたる業務を担います。

具体的には、倉庫における火災の防止やその他の施設管理、倉庫管理業務の適正な運営確保、労働災害の防止、そして現場従業員への研修といった仕事内容が含まれます。

 

倉庫業を営む企業は、倉庫業法に基づき、登録を受けた倉庫ごとに必ず1名の倉庫管理主任者を選任する義務があります。

 

倉庫業法には以下のような記載があり、「倉庫業者は登録を受ける倉庫ごとに倉庫管理主任者を選任する必要がある」と定められています。
 

倉庫業者は、倉庫ごとに、管理すべき倉庫の規模その他の国土交通省令で定める基準に従つて、倉庫の適切な管理に必要な知識及び能力を有するものとして国土交通省令で定める要件を備える倉庫管理主任者を選任して、倉庫における火災の防止その他の国土交通省令で定める倉庫の管理に関する業務を行わせなければならない。

倉庫業法第11条より

 

これは、倉庫業が生産者と消費者を繋ぐ重要な役割を果たし、生活インフラとしての高い公共性を持つためです。

倉庫管理主任者の選任によって、倉庫業の適切な運営と円滑な物流が確保され、社会全体の経済活動を支えることになります。

倉庫管理主任者となるための要件はいくつかあり、実務経験や講習の修了などが求められますが、その役割は倉庫の安全と効率を維持するために不可欠です。

倉庫管理主任者の選任要件

倉庫管理主任者の選任要件に関しては、以下のような記載があります。

下記のいずれかに該当する方であれば選任することできます。
 

  1. 倉庫の管理の業務に関して2年以上の指導監督的実務経験を有する者
  2. 倉庫の管理の業務に関して3年以上の実務経験を有する者
  3. 国土交通大臣の定める倉庫の管理に関する講習を修了した者
  4. 国土交通大臣が第1号から前号までに掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者

1.倉庫の管理の業務に関して2年以上の指導監督的実務経験を有する者

倉庫業登録を受けた営業倉庫にて、センター長等の管理職の役職にて、倉庫実務に従事した経験が2年以上有する方が該当します。

登録申請にあたっては、営業倉庫の運営会社から証明書を発行してもらうなどして、従事経験を証明する必要があります。

 

2.倉庫の管理の業務に関して3年以上の実務経験を有する者

倉庫業登録を受けた営業倉庫にて、役職者ではない立場で、倉庫実務に従事した経験が3年以上有する方が該当します。

登録申請にあたっては、営業倉庫の運営会社から証明書を発行してもらうなどして、従事経験を証明する必要があります。

3.国土交通大臣の定める倉庫の管理に関する講習を修了した者

日本倉庫協会が主催する倉庫管理主任者講習を受講した方が該当します。

 

この講習は、実務経験がない方が倉庫管理主任者として選任されるための重要な道筋の一つです。

講習は全国の主要都市で定期的に開催されており、例えば札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、岡山、広島、福岡、沖縄など、各地の会場で受講可能です。

開催日程は日本倉庫協会の公式サイトで確認でき、年間を通して複数回実施されているため、ご自身の都合に合わせて申し込みができます。

 

講習内容としては、倉庫業法の概要、労働災害の防止、防災管理、倉庫管理実務、自主監査などが約5時間半にわたって行われます。

受講資格は特に設けられておらず、また、講習後には修了試験が実施されないため、真面目に受講すれば基本的に誰でも修了証を取得できる仕組みです。

受講料は会場や会員・非会員によって異なりますが、一般の方で12,000円から14,000円、日本倉庫協会の会員の方は6,000円から8,000円程度が目安となります。

 

この講習を修了することで、国土交通大臣の定める倉庫の管理に関する知識と能力を有すると認められ、倉庫管理主任者として業務にあたる資格要件を満たすことになります。

この修了証は、倉庫の安全かつ効率的な運営を担う重要な役割を果たすための第一歩です。

倉庫管理主任者の業務内容

倉庫管理主任者は、登録を受けた倉庫において、倉庫の安全かつ効率的な運営を確保するための重要な仕事内容を担っています。

具体的には、倉庫における火災の防止やその他の施設管理、倉庫管理業務の適正な運営の確保、労働災害の防止、そして現場従業員への研修という4つの主要な役割があります。

 

これらの業務は、倉庫業の公共性を維持し、物流の円滑化に貢献するために不可欠です。

倉庫管理主任者の役割は、倉庫内のハード面とソフト面の両方から適切な管理を行い、安全な作業環境を提供することにあります。

例えば、施設のメンテナンスや防災対策はハード面の管理にあたり、保管・荷役業務の管理や従業員の研修はソフト面の管理にあたります。

 

倉庫管理主任者は、登録を受けた倉庫において以下のような業務を行います。

1.倉庫における火災の防止その他倉庫の施設の管理に関すること

「倉庫の施設の管理」とは 、倉庫の建物に係る日々のメンテナンス業務、火災等の事故予 防業務等、倉庫のハード面から行われる管理業務一般をいいます。

 

倉庫は可燃物を大量に収容する特性があるにもかかわらず、出入口や窓などの開口部が少ないため、火災が発生すると排煙が困難になり、庫内に煙や熱が充満しやすくなります。

この状況は消火活動を著しく困難にし、保管されている物品への被害を拡大させるだけでなく、従業員の安全を脅かす可能性も高まります。

そのため、倉庫管理主任者には、火災を未然に防ぐための徹底した予防対策と、万一火災が発生した場合に被害を最小限に抑えるための重要な責任があります。

 

具体的な火災予防対策としては、国土交通省の「倉庫管理主任者マニュアル」に示されているように、工事中の火災予防、たばこによる火災予防、自然発火や粉塵による爆発事故予防、漏電や指定可燃物の爆発による火災事故対策、自動倉庫の火災防止対策、さらには放火による火災事故対策や大規模火災の防止対策などが挙げられます。

これらの対策に加え、消火栓やスプリンクラーなどの消防設備の定期的な点検、現場従業員に対する火災予防策の教育、そして避難・初期消火訓練の実施なども重要な業務です。

 

また、漏電につながる可能性のある電気設備の適切な管理も、火災事故を未然に防ぐ上で不可欠な要素となります。

倉庫管理主任者は、これらの多岐にわたる管理業務を通じて、倉庫の安全を確保し、円滑な物流を支える役割を担っています。

2.倉庫管理業務の適正な運営の確保に関すること

倉庫管理業務の適正な運営を確保するためには、倉庫内に保管された貨物を適切に管理し、入出庫業務をスムーズに進めることが不可欠です。

単に物品を預かるだけでなく、その品質や用途に応じた正しい方法で保管管理を行うことが求められます。

例えば、温度や湿度、換気の管理、物品の積み方などに細心の注意を払い、劣化や破損を防ぐ取り組みが必要です。

このような具体的な作業は、倉庫管理主任者の仕事内容の中核をなします。

 

さらに、倉庫業には貨物の守秘義務があり、保管物の種類、数量、価値、取引先など、業務を通じて知り得た情報を決して外部に漏らしてはいけません。

この守秘義務を徹底し、情報管理体制を確立することも、倉庫管理主任者の重要な役割に含まれます。

 

国土交通省の「倉庫管理主任者マニュアル」には、このような適切な倉庫管理業務を遂行するための詳細な指針が示されており、倉庫内外の巡視、在庫数量管理、トランクルーム保管管理、定温定湿倉庫保管管理、在庫証明の発行といった具体的な業務が挙げられています。

その他にも、倉庫約款や料金表が常に最新の状態であり、見やすいように掲示されているかを確認することも重要です。

これは、透明性の高いサービスを提供し、顧客とのトラブルを未然に防ぐために必要な措置であり、倉庫管理主任者の責任範囲に含まれます。

 

これらの業務を通じて、倉庫のソフト面から適切な管理を行うことで、倉庫管理業務の適正な運営が確保され、物流全体の信頼性が向上します。

なお、このように倉庫における保管、荷役業務の管理等、倉庫のソフト面から行われる管理業務一般を指しますが、料金の設定や経営に関する業務等は含まれません。

3.労働災害の防止に関すること

倉庫の荷役業務等に従事する労働者の労働災害防止のために行われる業務の一般を指します。

 

倉庫内では、フォークリフトなどの重機使用や高所での作業、貨物の移動など、危険を伴う業務が常におこなわれます。

そのため、倉庫管理主任者は、上記を原因とする労働災害を防止し、従業員の安全を確保しなければなりません。

具体的には、国土交通省の「倉庫管理主任者マニュアル」に記載されているように、作業員の健康状態のチェックや服装の点検、はい付け・はい崩し作業、フォークリフト作業、コンベヤー作業、クレーン作業など、個別の作業に応じた安全管理を徹底することが求められます。

 

落下や転落、飛来、転倒といった事故を未然に防ぐための対策も、倉庫管理主任者の重要な仕事です。

これらの対策を徹底することで、従業員は安心して作業できるようになり、結果として倉庫全体の生産性向上にもつながります。

労働災害防止は、単に従業員の安全を守るだけでなく、倉庫運営の適正な維持にも不可欠な役割であり、倉庫管理主任者の責任は非常に大きいと言えます。

4.現場従業員の研修に関すること

倉庫業務の円滑な実施に資するため、現場従業員に対する研修を企画し、実施する業務を指します。

  

国土交通省の「倉庫管理主任者マニュアル」によれば、倉庫管理主任者は、常勤・臨時を問わずすべての従業員に対し、安全で効率的な倉庫作業を実現するための教育・訓練を徹底する必要があります。

この研修によって、従業員全体の安全意識を高め、危険回避能力を養うことが可能です。

例えば、入出庫作業は入出庫伝票に従っておこなうこと、倉庫内外の整理整頓、清掃に心がけること、倉庫内外の巡視の励行、火災予防に十分注意することなど、多岐にわたる指導内容が挙げられます。

 

また、初期点検の徹底や作業終了時の業務日誌作成・保管、担当者への報告の徹底も重要な指導項目です。

貨物の保守管理に関する申し送りの徹底や、盗難・火災・設備破損などを発見した場合の現場担当者への速やかな報告など、倉庫の種類や用途に応じた具体的な指導が求められます。

 

これらの研修は、倉庫管理主任者が果たすべき役割の根幹をなすものであり、すべての作業において円滑な倉庫運営を実現するために不可欠です。

倉庫管理主任者の設置理由

倉庫管理主任者の設置は、倉庫業法に基づき、登録された倉庫において義務付けられている重要な制度です。

この制度は、倉庫を安全かつ適切に運営することを目的としており、倉庫業が社会インフラとして果たす役割の大きさを鑑みると、その必要性は非常に高いといえます。

 

倉庫管理主任者は、火災や労働災害を未然に防ぐための安全管理、倉庫管理業務の適正な運営の確保、現場従業員への研修といった多岐にわたる仕事を担当し、倉庫の現場における責任者としての役割を担います。

倉庫管理主任者の配置基準は、原則として倉庫ごとに1名が基本です。

しかし、特定の条件下では複数の倉庫に対して1名の倉庫管理主任者で足りるとされています。

 

例えば、同じ敷地内にある倉庫や機能が一体とみなされる複数の倉庫の場合、また、同じ営業所が直接管理・監督する複数の倉庫で、かつ同じ都道府県内にあり、それらの有効面積の合計が国土交通大臣が定める数値である1万平方メートル以下の場合には、1名で対応可能です。

ただし、認定トランクルームが複数の倉庫に含まれる場合は、認定トランクルームの面積は合計に含めません。

 

有効面積の計算方法は倉庫の種類によって異なり、野積倉庫や水面倉庫では有効面積に0.5を乗じ、貯蔵槽倉庫や冷蔵倉庫では有効容積に0.2を乗じるなど、細かく定められています。

危険品倉庫の場合は、建屋であれば有効面積に2.0、タンクであれば有効容積に0.4を乗じて計算します。

これらの計算方法で算出された数値を合算した値が有効面積の合計値となり、この合計値が1万平方メートル以下であれば、倉庫管理主任者は一人でよいとされていますが、倉庫が同じ都道府県にない場合はこの基準は適用されないため注意が必要です。

 

この配置基準は、倉庫業法施行規則第八条や国土交通省の「倉庫業法第三条の登録の基準等に関する告示」に詳細が示されており、倉庫の規模や形態に応じた適切な管理体制を確立するための重要な指針となっています。

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