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東京都における不動産特定共同事業の許可審査の厳格化

近年、不動産特定共同事業(不特事業)の許可審査は、全国的に厳格化が進んでいます。
特に、事業計画や体制面だけでなく、既存事業が法令に沿って適切に運営されているかという点まで、審査の対象とされる傾向が強まっています。

宅地建物取引業を含む「法令遵守体制」まで審査対象に

東京都では、不特事業の許可審査において、宅地建物取引業などの既存事業についても、法令遵守体制が十分に整備され、実際に適切な運用がなされているかが詳細に確認されるようになりました。

この背景には、不動産会社による宅建業の独占業務(重要事項説明、契約書への記名・押印等)について、東京都が外部委託を全面的に禁止する方針を明確にしたことが大きく影響しています。

こうした審査の中で、特に注目されやすいポイントの一つが、決算書上に計上されている「業務委託費(外注費)」です。

業務委託の有無そのものが問題となるわけではありませんが、その内容次第では、法令違反の有無を厳しく確認される対象となります。

損益計算書に計上された業務委託料は詳細ヒアリングの対象に

東京都の不特事業許可審査では、損益計算書の販売管理費に「業務委託料」が計上されている場合、委託している業務の具体的な内容について、詳細なヒアリングが行われます。

形式的な説明では足りず、「誰が」「どの業務を」「どこまで行っているのか」を実態ベースで説明することが求められます。

禁止されている宅建業務の外部委託とは

ヒアリングでは、特に次の点が重点的に確認されます。

  • 委託先が契約条件の交渉に関与していないか
  • 委託先が重要事項説明など、法令上禁止されている業務に関与していないか

東京都では、これらの業務の外部委託を明確に禁止しているため、少しでも疑義が生じる場合には、詳細な確認が行われます。

提出を求められる主な資料

その確認のため、次のような資料の提出を求められるケースが増えています。

  • 業務委託の明細
  • 業務委託契約書
  • 委託内容を具体的に示す補足資料

書面上の記載と、実際の業務内容が一致しているかも重要な確認ポイントです。

委託内容が禁止業務に該当すると判断された場合、不動産特定共同事業の許可が取得できないだけでなく、宅地建物取引業免許にも影響が及ぶリスクがあります。

そのため、不特事業の許可申請においては、業務委託の内容を軽視することはできません。

適法な業務委託のみでも審査期間が長期化する背景

不動産特定共同事業の許可取得を目指す事業者の中には、業務の効率化等を目的として、適法な範囲で業務委託を行っているケースも多く見られます。

しかし、東京都の許可審査では、業務委託が適法であるかどうかにかかわらず、その実態を一つひとつ説明・立証することが求められます。

そのため、適法な業務委託のみを行っている場合であっても、違法な業務委託が疑われるケースと同様に、慎重な審査が行われる点には注意が必要です。

審査で求められる説明・資料の具体例

具体的には、次のような対応が必要となります。

  • 委託業務が禁止業務に該当しないことの説明
  • 委託内容が法令に適合していることを示す資料の作成
  • 過去の運営実態を整理した説明資料の準備

これらの対応に時間を要し、結果として、許可取得までに半年以上かかる事例も増えています。

東京都における不動産特定共同事業の許可審査では、業務委託の有無ではなく、その内容と実態が適法であることを、客観的に説明できるかが重要となります。

審査の過程では、追加のヒアリングや資料提出が繰り返し求められることも多く、従来と比べて、許可取得までの手続きが長期化する傾向が顕著です。

そのため、不特事業の許可を検討する際には、早い段階から業務委託の内容を整理し、説明体制を整えておくことが重要といえるでしょう。

不動産特定共同事業の許可審査、とりわけ東京都における審査は、業務委託の内容や既存事業の運営実態まで含めて確認されるため、事前の整理や説明の仕方によって、審査期間や難易度が大きく変わるのが実情です。

弊社では、これまで不動産特定共同事業の許可申請をはじめ、宅地建物取引業を含む不動産関連許認可について、多数の支援実績があります。
業務委託の整理や、各都道府県の審査項目を踏まえた説明資料の作成など、実務レベルで求められるポイントを意識したサポートを行っています。

また、これから不特事業への参入を検討している段階の方や、「自社の業務委託が問題にならないか不安がある」といった方に向けて、初回の無料相談も実施しています。
許可取得に向けた進め方や、想定される審査上の注意点について、現状をお伺いしたうえで、必要なご案内をいたします。
不動産特定共同事業の許可申請をご検討中の方は、まずはご相談ください。

(著者:不動産特定共同事業担当 コンサルタント 鈴木 宏誠)

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