【専門家が解説】墨田区の民泊・旅館業条例が激変。2026年4月から「常駐」と「対面」が必須に
投稿日:2026年2月2日

墨田区では、良好な住環境の維持と観光振興のバランスを図るため、住宅宿泊事業(民泊)および旅館業の条例を大幅に改正します。
今回の改正は、これまで「無人運営」が可能であった小規模施設に対し、実質的に「有人管理」を強く求める内容となっており、既存の運営モデルは根本的な見直しを迫られます。
本記事では、許可・届出の専門家が、重要な変更点を分かりやすく解説します。
1. 住宅宿泊事業(民泊)の主な変更点
(施行日:令和8年4月1日)
墨田区の民泊は、管理体制によって「営業可能な日数」が明確に制限されるようになります。
① 営業実施制限の厳格化
商業地域以外での制限
- 変更点:
住宅宿泊事業者や管理者が「常駐」しない場合、平日の営業が禁止されます。
具体的な制限: 月曜日正午から土曜日正午まで(祝日・年末年始を除く)は宿泊させることができません。 - 「常駐」の定義:
届出住宅内、同一建築物内、同一敷地内、または隣接する建築物内に管理者がいる状態を指します。
② 苦情対応と巡回の義務
- 現地対応の義務:
苦情等があった際、必要に応じて現地に赴いて対応するよう努めることが明文化されました。 - 記録の保存:
苦情の内容と対応記録は、3年間の保存が義務付けられます。
2. 旅館業の主な変更点
(施行日:令和8年4月1日 ※一部経過措置あり)
旅館業についても、管理体制および施設基準が大幅に強化されます。
① 営業従事者の「常駐」と「対面確認」
- 常駐義務:
宿泊者が滞在する間、営業従事者を施設内または同一敷地内に常駐させなければなりません。 - 安否確認:
営業従事者は、必要に応じて宿泊者の安否確認や周辺地域の生活環境への悪影響を防止する業務を行う必要があります。
② 施設・構造基準の新設
- 常駐専用スペースの確保:
営業従事者が常駐するための「居室(客室や廊下から明確に区画されたもの)」および「専用の便所」の設置が義務付けられました。 - 実務上の注意:
施行時に既に許可を受けている施設は当面除外されますが、建て替え時には新基準の適用を受けます。
3. 共通の変更点:違反者の公表と標識
- 違反者の氏名公表:
業務改善命令に従わない場合、事業者名や施設名、命令内容が区のホームページ等で公表されます。 - 標識の掲示内容拡大:
施設名称に加え、管理者の緊急連絡先や氏名、宿泊定員などの掲示が必須となります。
専門家からのアドバイス
墨田区の改正で最も留意すべきは、「無人チェックイン・無人運営」への規制です。
特に商業地域以外で民泊を検討されている方は、管理者が隣接地にいない限り、週の半分以上が営業不可となるため、収益性に大きな影響が出ます。
また、旅館業の新規申請では、スタッフ用の「居室」や「流水式手洗い付きの便所」を設計段階で盛り込む必要があり 、設計自由度が制限される点に注意が必要です。
サポート行政書士法人では、墨田区の新条例に適合した運営スキームの構築や、図面段階からの構造チェックを行っております。
施行間近になって慌てないよう、お早めにご相談ください。

塚本 純平

