日本でドライバーとして働きたい皆様へ
投稿日:2025年5月28日
日本では、バス、トラック、タクシーのドライバーを外国から受け入れることを決めました。日本に興味を持ち、日本でドライバーとして働いてみたいと考える外国籍の皆さまにこの記事をお届けします。バス、トラック、タクシーのドライバーになるためには『特定技能』の在留資格を取得しなければなりません。このために、どのような準備が必要なのか、そして実際にどんな生活や仕事が待っているのかを、お伝えします。これから日本で運送業にチャレンジしようとする外国籍の皆さんにとって、少しでも参考になるよう願っています。
■ 特定技能(運送業)とは?
「特定技能」は、日本の深刻な人手不足を補うために2019年に導入された在留資格制度です。運送業界では、2024年から新たに「自動車運送業」が対象分野として追加されました。これは、日本国内での物流を支えるドライバーの高齢化や若手不足を受けて、外国人の労働力を積極的に受け入れる動きの一環です。
特定技能の運送業分野で認められている職種には、トラックドライバー、バス運転手、タクシー運転手などがあります。これらの仕事では、日常的に日本の道路交通法を遵守し、安全運転が求められます。そのため、特定技能ビザを取得するためには、一定の技能と日本語能力、さらに日本の運転免許が必要となります。
また、運送業で働く外国人には、国土交通省による「働きやすい職場認証制度」に認定された企業での雇用が原則となっており、これにより労働環境の質が保証されています。これは、外国人にとっても非常に安心できる制度であり、ブラック企業への就職リスクを低減する仕組みでもあります。
特定技能制度には、以下のようなポイントがあります:
- 在留期間は通算5年まで(現在、運送業は特定技能1号のみ)
- 転職が可能(同一分野内)
- 日本語・技能の試験に合格する必要がある
- 労働契約は日本人と同等の条件で締結される
- 支援計画に基づき、生活・労働サポートが提供される
外国からきた労働者に安心して日本で働いてもらうための仕組みです。
■ 特定技能と技能実習の違いは?
技能実習制度は、技能の習得と母国への技術移転を目的とした制度で、研修・教育を受けてもらうことを主な目的とした制度です。一方、特定技能は「即戦力」として実際に現場で働いてもらうためのビザです。
例えば、技能実習制度では原則として転職ができませんが、特定技能では同じ分野内であれば企業変更が可能です。また、給与水準も特定技能の方が高く、日本人と同等以上の条件が法律で定められています。
技能実習から特定技能にステップアップするケースも多く、その場合、日本語試験や技能試験の一部が免除される優遇措置があります。これは実習経験を活かして、より長く安定して働きたい人にとって非常に有利です。
■ 試験について
運送業の特定技能を取得するには、以下の2つの試験に合格する必要があります。
- 日本語能力試験(JLPT N4以上、またはJFT-Basic)
- 運送業分野の特定技能評価試験(職種別)
JFT-Basicは年間を通じて複数回実施され、試験内容も生活に密着した会話や読解が中心のため、多くの外国人が受験しています。
運送業の技能試験では、トラック・バス・タクシーのどの分野かに応じて、筆記試験(選択式)で運行管理、安全対策、接遇マナーなどの知識が問われます。公式教材は日本語だけでなく、英語やベトナム語、中国語などでも提供されています。
■ 特定技能での生活と費用面
特定技能で来日した後の生活では、企業が用意する寮に入るケースが多く、家賃は安価で生活費を抑えることができます。また、企業または登録支援機関により、特定技能を生活面でも支援することが決められており、銀行口座開設、携帯契約、役所の手続きなど日本での生活を始めるためのサポートもしてもらえます。
月給は会社や地域、担当業務によりますが、平均して月20万〜28万円程度が多く、夜勤や長距離運転を担当する場合はさらに高収入が期待できます。
一方、初期費用として航空券やビザ申請費、日本での免許取得費用(試験や教習代)がかかることがあります。ただし、企業が一部または全額を負担してくれる場合もありますので、事前にしっかり確認することが大切です。
このように、特定技能での就労は、企業や支援機関のサポートが受けられますので、日本での就労を希望する外国人労働者にとって、魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。
■ よくある質問(FAQ)
特定技能制度や運送業界について、よくある疑問をいくつか紹介します。
Q1:特定技能で家族を日本に呼ぶことはできますか?
A1:残念ながら、特定技能1号では原則として家族の帯同は認められていません。ですが、将来的に「技術・人文知識・国際業務」ビザなどに変更した場合は、家族帯同が可能になる場合があります。
Q2:5年経った後はどうなるの?
A2:現時点では特定技能(運送業)に特定技能2号は設定されていないため、5年間の在留が満了した時点で帰国、または他の在留資格への変更が必要になります。制度の見直しで2号が追加される可能性もあるので、最新情報を確認することが大切です。
Q3:転職は簡単にできますか?
A3:同じ分野内(=運送業)であれば転職は可能です。ただし、在留資格変更の手続きが必要になるので、新しい雇用先としっかり確認しながら進めましょう。
Q4:女性でもドライバーになれますか?
A4:もちろん可能です。日本では女性ドライバーの採用も進んでおり、運送会社によっては女性専用設備を整えているところもあります。性別に関係なく、やる気があれば挑戦できます。
■ トラックドライバーの一日(例)
最後に、実際に日本で働く特定技能ドライバーの1日の流れを簡単にご紹介します。
06:00 出勤・点呼 会社に出勤し、運行管理者と一緒にその日のスケジュールを確認します。その後、アルコールチェックと健康確認を行います。
06:30 車両点検・積荷作業 担当トラックのタイヤ・ブレーキ・ライトなどを点検し、荷物を積み込みます。フォークリフトを使うこともあります。
07:00 出発・配送 高速道路や一般道を使って目的地へ出発。安全運転を心がけ、途中で休憩も取りながら走行します。
11:00 納品 配送先に到着し、荷物を降ろします。納品書にサインをもらい、次の配送先に移動します。
13:00 昼休み コンビニやサービスエリアで昼食。午後の業務に備えて休憩をとります。
14:00 午後の配送(複数件) 日によっては1日に複数件の配送があります。時間指定のある場合は特に注意が必要です。
17:00 帰社・報告 会社に戻り、車両の清掃・点検を行い、業務日報を記入して業務終了です。
このように、日本の運送業では時間管理、安全、接客など幅広いスキルが求められますが、その分やりがいも大きく、成長を実感できる仕事です。
■ 特定技能ドライバーとして働くメリットと課題
【メリット】
- 安定した収入と生活基盤が得られる
- 日本人と同等の社会保険に加入できる
- 労働環境や安全衛生面がしっかりしている
- 将来のキャリアアップ(管理職や専門資格取得)も可能
【課題・注意点】
- 長時間勤務になりがちなこと(特に繁忙期)
- 日本語の読み書きや会話に慣れるまで苦労する
- 慣れない交通ルールや接客マナーへの順応
- 特定技能1号は最長5年間という在留制限
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(担当:上山)