ホテル事業承継申請手続き~おさえておきたい3つのポイント~
投稿日:2025年5月27日
少子高齢化や後継者不足の影響を受け、ホテル業界でも事業承継のニーズが高まっています。
しかし、事業譲渡の意思が固まっていても、手続きの進め方次第ではスムーズに事業承継が行えないといったことがあります。
今回は、サポート行政書士法人が実際に手続きをサポートする上で、特に注意すべき3つのポイントを取り上げ、円滑な事業承継に向けた備えをご紹介します。
① 廃業届は出さずに確認を
事業を譲渡する際、「廃業してから渡すべき」と考えるオーナーも多いのが実情です。
しかし、安易に廃業届を提出してしまうと、必要な許認可がすべて消失し、再取得が必要となる場合があります。
特にホテル業では、旅館業法に基づく営業許可や飲食提供に関する営業許可などが複雑に絡んでおり、再取得には多くの時間とコストがかかります。さらに、自治体によっては審査が厳格化されており、以前と同条件で許可が下りないこともあり得ます。
事業を承継する=廃業することではありません。
廃業届を出す前に一度、お問合せいただくことがスムーズに手続きを進める重要なポイントです。
②地方自治体ごとでの必要事項の確認
事業承継にあたっては、自治体ごとに異なる「ローカルルール」があるケースが多々あります。
例えば、同じ旅館業でも、京都市と大阪市では申請の流れや審査基準に大きな違いがあります。
- 京都市の場合:
・「景観条例」や「歴史的建造物保全」に関する制限が多く、近隣住民への説明が求められることがある
・対象施設の近隣の学校等に照会が必要なことがある - 大阪市の場合:
・比較的手続きはシンプルだが、消防法や用途地域の確認において、建物の改修指導が厳格になることがある
・施設用途の変更が伴う場合には、建築確認申請の手続きが必要になることもある
このように、自治体が違うだけで、準備すべき資料や確認事項が必要となります。
そのため、「前に別地域でやったから今回も同じように進めれば大丈夫だろう」といった感覚ではなく、ローカルルールを確認し、スケジュールを立てていくことをお勧めします。
③防火管理者等に関する更新も忘れずに
建物や許認可だけでなく、「人」に関する承継も漏れなくする必要があります。
防火・防災管理責任者の再選任
ホテルでは一定の規模を超えると、防火管理者や防災管理者の選任届け出が必要です。
従前のオーナーや支配人が兼任していた場合、廃止届けと後任者の選任届け出を消防署へ提出しなければなりません。
消防計画の再策定
新体制となる場合、消防計画(避難訓練や初期消火体制等)を再策定し、届け出直しが必要です。
その際、社員構成や設備状況に応じて見直しを行う必要がります。
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事業承継に係る申請はサポート行政書士法人へ
ホテルの事業承継では、営業許可・ローカルルール・防火管理など、多岐にわたる法令と実務をまたぎ、
また事業承継申請は効力発生日前までに承認を受ける必要があります。
効力発生までに、問題なく申請ができるか不安…
自分でやるにはどこからはじめたらいいかわからない…などありましたら
一度サポート行政書士法人へお問合せ下さい。
著者:石倉