住宅分野の脱炭素加速へ、政府が太陽光パネル設置を要請
投稿日:2025年5月29日
概要
国土交通省は、住宅分野における脱炭素の加速に向けて、セミオーダー型新築戸建て住宅に対し、太陽光パネルの設置を標準化する施策を打ち出した。2027年度から、年間供給戸数300戸以上の住宅事業者に対し、対象物件の87.5%に太陽光パネルを設置することを要請する。この取り組みは、温室効果ガス排出量の削減と省エネ性能の向上を狙いとした政策の一環です。
対象住宅と要請内容
区分 | 要請設置率 | 対象事業者条件 |
セミオーダー住宅 | 87.5% | 年間供給戸数300戸以上 |
建売住宅 | 37.5% | 年間供給戸数150戸以上 |
・セミオーダー住宅とは、間取りや設備をカタログから選ぶ方式で、設計の自由度と大量供給のバランスをとる注文 住宅の一形態。
・建売住宅では、22年度の新築物件の設置率が8%と低迷していることから、要請率は控えめに設定された。
政策の背景と狙い
- 建築物に関するCO₂排出は、世界の排出量の約37%(2023年度)を占め、住宅分野の省エネ化は国際的にも喫緊の課題。
- 政府は2030年までに新築戸建て住宅の60%に太陽光パネルを設置する目標を掲げており、今回の要請はその達成に向けた中間的な施策である。
- 太陽光パネルの設置には初期費用がかかるものの、自家発電による電気代削減や売電収入の確保により、長期的には家計へのメリットが見込まれると国交省は分析している。
現状と地域的課題
設置率の現状(2022年度)
- セミオーダー住宅:58%
- 建売住宅:8%
→ 特に建売では設置が進んでおらず、今回の数値目標で巻き返しを図る。
地域による例外
都市部の狭小地や豪雪地帯では、太陽光パネルの設置が物理的に困難なケースが多く、今回の要請から除外されている。
4.3 東京都の動きとの違い
- 東京都では2024年4月より、延べ床面積計2万平方メートル以上の住宅メーカーに設置を義務化。
- 政府は全国一律の義務化は見送ったが、新築を多数手がける事業者に絞って脱炭素を急ぐことにした。
まとめ
今回の国土交通省の施策は、住宅分野における脱炭素を加速する重要なステップであり、太陽光パネルの標準化に向けた制度的枠組みの整備といえる。設置率の大幅な引き上げにより、住宅の省エネ性能向上と家庭の電力自立性の向上が期待される一方で、地域特性などの課題も残されています。
この流れにより、太陽光発電の導入は「選択肢」から「標準仕様」へと変わりつつあります。
今後標準化してくる太陽光パネルの設置に自治体や国による補助金制度を活用すれば、初期費用の大幅な軽減が可能ですが補助金の申請手続きは要綱の確認、情報の整理、書類の準備、作成が必要となり短時間で出来るものではありません。
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(著者:薗)