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2019年10月31日

第8条 品質管理監督文書の管理

第8条 品質管理監督文書の管理

省令

製造販売業者等は、前二条その他この章に規定する文書その他品質管理 監督システムを実施する上で必要な文書(記録を除く。以下「品質管理監督文書」という。)を管理しなければならない。

2 製造販売業者等は、次に掲げる業務に必要な管理方法に関する手順を確立し、これを文書化しなければならない。

一 品質管理監督文書を発行するに当たり、当該品質管理監督文書の妥当性を照査し、その発行を承認すること。

二 品質管理監督文書について所要の照査を行い、更新を行うに当たり、その更新を承認すること。

三 品質管理監督文書の変更内容及び最新の改訂状況が識別できるようにすること。

四 品質管理監督文書を改訂した場合は、当該品質管理監督文書の改訂版を利用できるようにすること。

五 品質管理監督文書が読みやすく、容易に内容を把握することができる状態にあることを確保すること。

六 外部で作成された品質管理監督文書を識別し、その配付を管理すること。

七 廃止した品質管理監督文書が意図に反して使用されることを防止すること。当該文書を保持する場合においては、その目的にかかわらず、廃止されたものであることが適切に識別できるようにしておくこと。

3 製造販売業者等(限定第三種医療機器製造販売業者を除く。)は、品質管理監督文書の変更に当たっては、当該変更の決定の根拠となる情報を入手することができる立場にある、当該品質管理監督文書を最初に承認した部門又はその他のあらかじめ指定した部門に、当該品質管理監督文書への変更を照査させ、当該部門の承認を得ることとしなければならない。

4 製造販売業者等は、品質管理監督文書又はその写しを、少なくとも一部、第六十七条で定める期間保管しなければならない。

通知

8.第8条(文書の管理)関係

(1)この条は、ISO13485:2003の「4.2.3 Control of documents」に相当するものであること。

(2)第1項の「この章に規定する文書」には、(3)に示す手順書の他、次のものが含まれうるものであること。

品質方針の表明(第6 条第1 項第1 号)、品質目標の表明(第6 条第1 項第1 号)、品質管理監督システム基準書(第6 条 第1 項)、手順を規定する文書((3)を参照。) (第6 条第1 項第4 号)、薬事に関する法令の規定により文書化 することが求められる事項(第6 条第 1 項第5 号)、製品標準書(第6 条第2 項)、業務に従事する部門及び構成員の責任 及び権限(第15 条第1 項)、業務運営基盤の保守に係る要求事項 (第24 条第2 項)、構成員の健康状態、清浄の程度等に係る要求事項(第25 条第2 項)、構成員の健康状態、清浄の程度等に係る要求事項(第25 条第2 項)、汚染された製品等の管理に関する実施 要領(第25 条第5 項)、製品のリスクマネジメントに係る要求 事項(第26 条第5 項)、製品要求事項に係る文書(第28 条第2 項)、設計開発計画に係る文書(第30 条第5 項)、購買情報が記載された文書(第38 条 第3 項)、製造及びサービス提供に係る要求事項 (第40 条第1 項)、製造及びサービス提供に係る作業指図 書(第40 条第1 項)、製品の清浄に係る要求事項(第41 条)、設置業務に係る要求事項(第42 条第1項)、附帯サービス業務の実施等に係る作業 指図に係る体系(第43 条第1 項)、製品の保持に係る作業指図に係る体系 (第52 条第1 項)、使用の期限が限定された製品等の管理 に係る作業指図に係る体系(第52 条第2 項)、製造し直しに係る手順(第60 条第9 項)、製造し直しに係る悪影響(第60 条第10 項)、通知書(第62 条第2 項)

(3)この省令の第2章においては、次の(*1)手順を確立し、文書化することが要求されており、これらはすべて第1項の品質管理監督文書に該当することから、第2項から第4項の規定に従って適切に管理される必要があること。(*1)次の手順は別シートに記載

品質管理監督文書の管理(第8 条第2 項)、記録の管理(第9 条第2 項)、作業環境(第25 条第3 項)、製品の設計開発(第30 条第1 項)、購買工程(第37 条第1 項)、製造及びサービス提供の管理(第40 条第1 項)、附帯サービス業務(第43 条第1 項)、ソフトウェアの適用のバリデーション (第45 条第4 項)、滅菌工程のバリデーション(第46 条第1 項)、製品の識別(第47 条第2 項)、返却製品の識別(第47 条第3 項)、追跡可能性の確保(第48 条第1 項)、製品の保持(第52 条第1 項)、使用の期限が限定された製品等の管理 (第52 条第2 項)、監視及び測定(第53 条第2 項)、製品受領者の意見収集等(第55 条第3 項)、内部監査実施計画の策定及び実施等 (第56 条第6 項)、不適合製品の処理に係る管理等(第60 条第2 項)、データの分析等(第61 条第1 項)、通知書の発行及び実施(第62 条第2 項)、不具合等の厚生労働大臣への報告(第 62 条第6 項)、是正措置(第63 条第2 項)、予防措置(第64 条第2 項)

(4)品質管理監督文書は、管理対象外の文書から区別して適切に管理されるべきものであること。

(5)製品実現に関連する手順(( 3 )におけるエからソまでの手順書)については、次の点にも留意すること。

ア.各作業中における混同、手違い等を防止するため、作業の実施状況等を明確に区別するための方法を確立しておくこと。

イ.製造に当たっては適切な設備を使用すること。

ウ.適切な工程の変動要因及び製品特性の監視を行うこと。

(6)第2項第2号の品質管理監督文書の「所要の照査」とは、例えば、組織や構成員の変更、内部監査の結果又は新たな製品等の追加等の結果として行われうるものであること。

指摘事例

文書管理、配布管理の不備(QMS 省令の要求事項の理解不足)

・品質管理監督文書として自社で規定した管理文書台帳に、品質マニュアル、製品標準書が含まれていなかった。

・品質管理監督文書の配布管理が最新版の記録しかなく、それ以前の配布/回収が適切に行われたのかどうかが確認できなかった。

・手順書が最新版であることの識別がなかった。また、旧版の保管や旧版である旨の識別ができていなかった。

・添付文書は2015 年に改訂されていたが、最新版管理のフォルダに保存されていた添付文書は、2011 年の 第1 版であった。

・文書の保管期間を過ぎていない「手順書」、「製品標準書」の旧版管理ができていなかった。

・旧版の文書を確認したところ、廃止の識別管理がされていなかった。

・各種規定、手順書、設置管理基準書において、作成・承認の押印が欠落しており、妥当性を照査し、承認された上で発行されたことが確認できなかった。

・自社で外部文書とした通知類の配布は管理していたが、外部で作成された品質管理監督文書としての識別が明確でなかった。

・製品本体に表示する法定表示ラベル見本に版数が記載されておらず、版管理がされていなかった。

・自社で品質管理監督文書とした内部監査チェックリストの様式が、版管理を行っていないため現在有効な版であるかどうかの判断ができなかった。

・手順書と文書管理台帳で版番号のずれが複数確認され、適切な版管理が行われていなかった。

・記録様式を変更した場合、変更内容を識別していなかった。

・記録様式に版数が記載されていないものがあり、最新版の識別ができなかった。

・QMS 省令第8 条第2 項に該当する管理方法に関する文書化した手順を調査中に確認できなかった。

・「文書管理手順」において何を外部文書と定めるのか、識別の方法や、配付の管理方法について定められていない。

・「外部文書最新版管理手順」では、旧版の保管について規定されていたが、web 上で確認すべき規格に係る旧版保管の方法は規定されている状況になかった。

・文書を改訂した場合、改訂版を利用できるようにするための管理方法の手順が文書化されていることを確認できなかった。

・手順では、管理対象となる文書は、「管理文書台帳」に明記することが定められていたが、三次文書や製品標準書が含まれていることを確認できなかった。

・文書の配布及び識別管理に関して、下記項目に係る管理方法が手順書で適切に規定されていなかった。

(1)配布が実施されたことを示す「〇〇登録台帳」の運用方法

(2)配布された文書の配布先での管理方法

(3)旧版及び廃止文書の識別管理方法

・手順書が改訂時に、当該文書への旧版の識別表示、保管期限の記載、隔離された保管箱での管理がされていたが、これらの管理方法に関する手順が文書化されていなかった。

・社内イントラサーバーで閲覧できる最新文書を改訂する際の仕組みが規定されていなかった。また、様式の版管理に係る仕組みが規定されていなかった。様式の最新版は「管理文書台帳」でのみ明確にされ、各様式が最新版であることを識別できない状態であった。

・文書の原本をPDF 化し、副本として社内システムに公開しているが、当該電磁的な文書の管理方法が手順化されていなかった。

・閲覧のためにアップロードされた品質マニュアル及び手順書の原本との整合手順を確認できなかった。

・自社で外部文書とした「医薬品・医療機器等法」、「施行規則」、「新QMS省令」、「新 QMS省令の逐条解説」、「新GVP省令」、「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再 生医療等製品の製造販売後の基準に関する省令等の施行について」、「医薬品等の副作用等 の報告について」等)の配布を管理していなかった。

・特定保守管理医療機器なので少なくとも15年以上の保管が必要だが、保管期間が作成後5 年になっているものが複数確認された。

・品質マニュアルでは特定保守管理医療機器は15年以上の保管となっているが、文書管理手順では5 年となっていた。

・特定保守管理医療機器及びそれ以外の医療機器のいずれの医療機器も取り扱っているが、それらの製品標準書の旧版(廃版含む)を省令要求が満足する期間、具体的にどのような手順で保管するのかが明確でなかった。

・QMS省令の要求事項では『有効期間に1年を加算した期間が5年より長いものにあっては、有効期間に1年を加算した期間』であるが、『有効期間が5年より長いものは有効期間に1年を加算した期間』と定められており、省令要求を満足していることを確認できなかった。

・当該施設で取り扱っている製品の中に有効期間が5年間のものがあるため、手順書や記録は省令要求に基づき6年間保管する必要があるにも関わらず、保管期間が5年間でと定められていた。

・現行の一つ前の版の品質マニュアルの保管期限は廃止した日から5年間となっていた。

手順書と実運用に乖離がある

・旧版となった配布文書は直ちに廃棄すると手順に定められていたが、製品標準書の旧版となった配布文書が保管されていた。

・手順で規定した外部文書(仕様書、取決め書等)を管理していなかった。

・「文書管理手順」に基づく保管すべき管理コピー部数が保管されていなかった。

・品質管理監督文書に該当する文書の中に、文書管理規定とおりに管理文書台帳に登録されていないものがあった。(例:受入検査標準書、安全管理業務(GVP)手順書、リスクマネジメントに係る要求事項書)

・販促物管理規定で、カタログはカタログ一覧表に登録して一覧表を管理することが規定されていたが、一覧表の各カタログの管理No.、及び印刷年月日が空欄で適切に管理されていなかった

・「文書管理規定」で廃止文書の識別手順が定められていたが、廃止された旧版の製品標準書が定められた手順で識別されていなかった。

・文書管理規定に従い、品質方針及び品質目標について承認者が捺印又はサインしていることを確認できなかった。また、規定では管理文書の1 ページ目及びファイルに、管理文書である旨を朱書きする手順となっていたが、実施されていなかった。

・手順では、管理文書は“管理文書”と表示したファイルに保管することを定めているが、管理対象とされた文書ファイルには表示がなかった。

・文書管理手順書では、QMS 省令に関わる全ての文書を適用の対象とし、制定、改訂にあたって照査、承認、識別及び最新版の管理方法を規定していたが、第二階層の手順書ならびに第三階層の記録様式及び製造指図書は、これに従って運用していなかった。

・様式を改訂する際は、手順書の版番号を変更し、それを承認する手順となっていたが、記録様式がその手順で改訂されていなかった。

・管理文書(原本及び配布文書)の識別は、文書管理規定では朱書きで識別する手順となっていたが、実際は行われていなかった。

・製造販売業者で作成された「製造販売業者との取り決め書」及び「リスクマネジメント規定」等の外部で作成された品質管理監督文書を「文書管理手順書」で規定した方法で適切に識別管理していなかった。

・品質管理監督文書について、品質方針及び品質目標を管理文書としていたが、文書管理規定で明示することと定めた承認者を明確にしていなかった。

・品質管理監督文書としたQC 工程図が必要に応じて更新されていたが、再承認されていなかった。

・「受入検査記録」の様式について、変更の承認を受けていないにもかかわらず、既に改訂されたものが使用されていた。

・文書・記録管理手順書で規定した文書承認者ではなく、別の者が文書承認を行っていた。

その他

・品質管理監督文書を修正液で修正していたため、元の記載内容を確認できない事例を複数例確認した。

解説

コメント

・文書か記録か不明確ではないか注意する。

→一覧表との不整合、一覧表が更新されているか、電子記録が品質記録として定義されているかに注意。

・保管期間が不明確ではないか注意する。

→手順書に保管年数と起算日も記載する。

・電子媒体の管理方法を規定できているか。

→電子記録に関する規定で承認・バックアップ・妥当性など。

・制定・改訂に関する記録があるか。

→特に改訂時の記録の有無やファイリングされているか。添付文書についても改訂版になっているか。

・文書の作成・審査・承認手順が実態とあっているか注意する。

→承認者・作成者がまず手順を理解できているか。また、手順では押印になっているが実際は電子媒体等で運用になっているとNGになる。

・最新版かどうか管理が出来ているか。

→不明確にならないように、最新版以外は回収することが望ましい。旧版を残さなければならないなら、識別できるよう明記する。

・国内向けと輸出向けの共通の手順書があるが、保管年数が異なっている場合。

→長い方に統一する方が適切。

・版管理について注意事項。

→内部監査チェックリストに盛り込む。初版は01か00か。テプラで上書きなら押印し、修正液は使用しない。旧文章を残すなら(赤文字真ん中線)のよう分かるように表記。

・外部文書が存在する場合。

→どこまでが外部文書か定義し、表記することで内部文書と区別する。