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2020年5月13日

指摘事例 第61条 データの分析

第61条 データの分析

省令

製造販売業者等は、品質管理監督システムが適切かつ実効性のあるものであることを実証するために、及びその品質管理監督システムの改善を図る措置が採られた場合に当該措置の改善に係る実効性を評価するために、適切なデータ(監視及び測定の結果から得られたデータ並びにそれ以外の関連情報源からのデータを含む。)を明確にし、収集し、分析するための手順を確立し、これを文書化しなければならない。

2 製造販売業者等は、前項のデータの分析により、次に掲げる事項(限定一般医療機器に係る製品にあっては、第一号に掲げる事項に限る。)に係る情報を得なければならない。

一 第五十五条第三項の規定により作成した手 順書に基づき収集する製品受領者の意見

二 製品要求事項への適合性

三 工程及び製品の特性及び傾向(予防措置を行う端緒となるものを含む。)

四 購買物品の供給者等

3 製造販売業者等は、前二項のデータの分析の結果に係る記録を作成し、これを保管しなければならない。ただし、限定一般医療機器に係る製品については、この限りでない。

通知

第61条(データの分析)関係

(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.4 Analysis of data」に相当するものであること。

(2)この条に基づくデータ分析の結果は、管理監督者照査に付された際に適切な判断と措置を導くために、適切に整理すること。

指摘事例

記録の不備

・「データ分析規定」では、『フィードバック』、『製品要求事項への適合性』、『予防処置の機会を得ることを含む、プロセスと製品の特定(特性)及び傾向』の分析の時期を毎月と定めている。しかしながら、これまでデータ分析が実施されたことを確認できなかった。

・「データ分析規定」では、『データ分析の結果に係る記録は、「データ分析記録」を作成し、品質記録管理規定に従い保管維持する。』と規定されている。しかしながら、「データ分析記録」を確認することができなかった。

・A 工場では、「製品苦情累積要因別パレート図」、「製品苦情要因別グラフ 年度」について、2013 年6 月までは実施されていたが、2013 年7 月以降、そのようなデータ分析が実施された結果の記録がファイルされていなかった。品質管理部では、2015 年 7 月以降の苦情をデータ分析対象としていたが、結果的に、2013 年7 月~2015 年6 月までの2 年間分のデータ分析結果の記録が維持されていなかった。

・データ分析の結果に係る記録が作成されていることを確認できなかった。具体的には、データ分析に係る手順「データ分析規定」では、”製品要求事項への適合性”や”購買物品の供給者等”に関するデータ分析を実施することが定められていたが、実施した結果に係る記録を確認できなかった。

・データ分析がデータ分析手順書に従って実施されていなかった。

・手順書で規定された様式に、データの分析の結果に係る記録を作成していなかった。

・データ分析手順に規定された供給者の不適合数、納期状況を集計した結果が確認できなかった。

・品質管理監督システムが適切かつ実効性のあるものであることを実証するために適切なデータを明確にし、収集し、分析し、その結果に係る記録が作成されているということを確認できなかった。具体的には、購買物品の供給者に係る分析結果の記録を確認できなかった。

手順書の不備

・品質管理監督システムの適切性及び有効性を実証するため、また、品質マネジメントシステムの有効性の改善を評価するために適切なデータを明確にし、収集し、分析するための手順が文書化されていなかった。

・データ分析について、「製品要求事項への適合性」、「工程及び製品の特性及び傾向」及び「購買物品の供給者等」に係る情報を得るために必要なデータの明確化、収集、分析のための手順が文書化されていることが確認できなかった。

・データを収集し、分析するための手順が文書化されていることが確認できなかった。

手順書及び記録の不備

・適切なデータを明確にし、収集し、分析するための手順が確立されておらず、また当該分析結果が作成されていなかった。

解説

コメント

・目的を理解したうえで手段を確立する。

→①品質管理監督システムが適切かつ実効性があると証明すること。

→②改善措置が採られたら、実効性を評価すること。

・データ分析で得るべき情報。

→製品受領者の意見、要求事項への適合性、工程及び製品の特性及び傾向、購買物品の供給者等。

・製品受領者の意見を得るためにはどのような分析方法があるか。

→製品、苦情等の内容、発生時期、情報源などによる層別をして、グラフ化し分析する。

・要求事項への適合性を得るためにはどのような分析方法があるか。

→製品、不適合品の内容、発生工程などによる層別をして、グラフ化し分析する。

・工程及び製品の特性及び傾向を得るためにはどのような分析方法があるか。

→工程の実施及び管理の実効性の確保に必要な判定基準及び方法(第 5 条第2項)に従って、判定する。工程ごとにグラフ化し分析する。

・購買物品の供給者等を得るためにはどのような分析方法があるか。

→必要に応じて層別し、分析する。

・データ分析の手順を明確にするように注意。

→手順はあるが、対象が不明確な場合が多い。対象となるデータはどのようなものがあるかまで具体的に。

・データ分析の記録を残しているか。

→会議などでデータ分析を行っているが要求事項に対する記録を提示できないケースがある。データ分析手順と日常の活動を対応させることを忘れずに。

・製造工程での記録が不適合数まで記録されるようにする。

→データ分析でも活かせるように、不適合数や納品数も記録することを忘れずに。

・「都度データ分析」するという表現はしない。

→どのような時にどんなデータ分析をするかを具体的にしておく。