鈴木 徹司

相手の価値観で考える

image_print

鈴木です。

「自分がして欲しいことを相手にしてあげなさい」
小学生の頃によく教わったことを思い出す。

自分が相手の立場で、
手伝ってほしいと思うような状況なら、
相手のために、手伝ってあげなさい、というようなことだ。

「相手の立場に立って考える、それを実行する」
という、シンプルな思考で成り立つ行動指針だ。

この考え方は、すでに時代に合わなくなってしまった。

私が子供の頃は、周りの子供たちも、同じような価値観で、同じようなことを求めていたので、
自分がして欲しいこと≒相手がして欲しいこと
という認識で良かった。

ところが、数十年が経ち、外国人も多くなり、価値観が多様化していくなかで、
自分がして欲しいことは、相手がして欲しいことでなくなり、
時には、迷惑になってしまうようになってしまった。

例えば、
大声で挨拶することは、相手がして欲しいことであるとは限らない。
病気のときに、大丈夫?と声をかけられることを、喜ぶ人も不快に思う人もいる。
熱血指導は、パワハラだと感じる人もいる。

自分がして欲しいことを相手にすることは、
相手にとって、良くないことが多くなった。
この事実は、社会全体で認識していかないと、良かれと思ってしたことが迷惑になるという悲しい現実が繰り返されてしまう。

時代に合った行動指針に変更するべきなのだと思う。

自分がして欲しいことを相手にしてあげなさい
→相手がして欲しいことをその人にしてあげなさい

自分がして欲しいことを考えることは簡単だが、
相手がして欲しいことを想像するのは、なかなか難しい。

相手がどんな人なのか、どんな価値観なのかを知り、
その状況に合わせて今何を望んでいるのかを推測する必要があるからだ。

相手のことを毎回考えることは大変な労力だが、
自分の言動が、独りよがりの押し付けになるのは、やはり避けたい。

相手の立場で、自分の価値観で考えるのではなく、
相手の立場で、相手の価値観で考えることを実践していきたい。